ユベントスの親会社である Exor は公式サイト上でユベントスの新会長にジャンルカ・フェレーロ氏を指名すると発表いたしました。議決権の関係で決定事項と言えるでしょう。

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アニェッリ家が支配権を持つ Exor はユベントスの株式を議決権ベースで 77.9% を保有しており、『Exor の決定』はユベントスにとって『絶対』です。
その Exor が「ジャンルカ・フェレーロ氏をユベントスの新会長に指名する」と宣言しました。2023年1月18日の株主総会でフェレーロ会長が承認され、正式に就任することになります。
フェレーロ氏は1963年生まれの59歳。トリノ生まれで税務や監査のエキスパートとして数多くの企業で顧問や監査役を務めた経歴を持つ人物です。
- 新会長: ジャンルカ・フェレーロ
- 現GM: マウリツィオ・スカナヴィーノ
- Exor が 89.6% の議決権を持つ GEDI の代表取締役
- GEDI は "Gruppo Editoriale" のこと。『ラ・レプッブリカ』などを傘下に持つメディアグループ
親会社である Exor からは「持続可能な経営」を注文されていましたし、4億ユーロの増資による大部分は Exor が負担しています。
当局から疑惑の目が向けられているのは「粉飾決算」などですから、親会社が “財務や監査のエキスパート” を子会社のトップに指名して『刷新』を図ることは定石と言えるでしょう。
司法当局から新たな指摘があったり、不利な証拠が出てきた訳ではありません。現状では「上場企業としてガバナンスが機能していることを(対外向けに)発信・証明するための刷新」と見るべきです。
Exor は法律で定められた期間内に『新取締役の候補者』を公表する予定であり、まずはユベントスの新たな取締役に誰が指名されるのかが注目点になると思われます。