イタリア・サッカー連盟(FIGC)は公式サイト上で代表チームを率いるマンチーニ監督が辞任したと発表いたしました。後任監督は選定後に速やかに発表される見込みであるものの、ボヌッチ選手にとっては思惑が外れる可能性が高くなっています。
ボヌッチ選手が「ユベントスで 2023/24 シーズンを過ごし、EURO 2024 でヨーロッパでの選手キャリアに別れを告げる」という青写真を描いていることは明らかです。
これはイタリア代表を率いるマンチーニ監督が “ボヌッチ選手のキャプテンシー” を高く評価して『招集手形』を与えていたことが要因でしょう。
そのため、ボヌッチ選手は「トップチームの練習に復帰させろ」との電子内容証明をユベントスに送付。ユベントスは要求を拒絶したため、ボヌッチ選手が仲裁委員会に持ち込むかが注目点になっています。
ところが、イタリア代表のマンチーニ監督が現地8月13日に電撃辞任。ボヌッチ選手がイタリア代表に招集されるかは「後任監督の評価基準次第」と状況が一変してしまいました。
マンチーニ監督が電撃辞任に至った理由は「ボヌッチ選手の処遇」でしょう。
“ボヌッチ選手を招集したいマンチーニ監督” に対し、エヴァーニ副監督(アシスタントコーチ)はボヌッチ選手の招集には反対の立場。「両者の間に緊張が走っている」と8月初旬に『メディアセット』が報じています。
“監督を支えるチームスタッフが一枚岩ではない状態” で結果を残すことは簡単ではなく、このままだと「EURO 2024 は予選敗退」は現実的に起こり得ました。そうなる前に辞任を選択したのでしょう。
一方、ボヌッチ選手は「トップチームの練習に復帰する権利」を仲裁委員会が認めるだけでは不十分な状況となってしまいました。
- マンチーニ監督が続投していた場合:
- ボヌッチは招集が確約された状態
- ユベントスのトップチームでトレーニングに参加できれば十分
- “一般的な後任監督” が就任した場合:
- 代表選手の選考基準は今季公式戦でのパフォーマンス
- 構想外を通告されたボヌッチがユベントスで出場機会を得るのは困難
“所属チームで出場機会を得ることができていない選手” を代表チームに招集することはリスクを伴います。したがって、ボヌッチ選手が当初に描いていた当初の青写真どおりになる可能性は低くなったと言わざるを得ないでしょう。
ボヌッチ選手の去就がイタリア代表監督の交代によってどれだけ左右されるのかにも注目です。