ユベントスの元 GM であるルチアーノ・モッジ氏が「アッレグリはガッリアーニによって自身の運命を知った」と投稿しています。事実とすれば、「ジュントリ FD が組織マネジメントにまた失敗した」と言わざるを得ないでしょう。
モッジ氏の主張は以下のとおりです。
- インテルはライバル勢が抱える問題とは無縁で来季はポールポジションからスタートする
- 今季終了後にユベントスとミランは監督交代の予定
- ユベントス:チアゴ・モッタ
- ミラン:ロペテギ
- 両クラブの選択が違うため、状況が異なる
- ミラン:オーナーが「ピオーリ監督に満足していない」と公言
- ユベントス:「沈黙」を選択
- メディアやファンの間でニュースが根強い場合は「沈黙」が報われないケースも多々ある
- ユベントスは「監督交代を告げたことによる弱体化」を嫌ったのだろう
- クラブの意図(=監督交代)に誰かが気づいた
- ヴラホヴィッチ、キエーザ、カンビアーゾ、ユルディズと口論が起きている
- ユベントスは「沈黙」ではなく「シーズン終了後に監督を交代したい」とチーム内に告げるべきだった
- ジュントリとの会食でユーヴェの意図を知ったガッリアーニ経由でアッレグリに(クラブの意図を)知らせる必要はなかったはずだ
モッジ氏の主張に論理的な矛盾はありません。裏付ける確固たる証拠がないだけで、アッレグリ監督の選手との関係性や記者会見での発言の変化も説明できるからです。
クラブの意図が選手側に漏れたのは「代理人経由」でしょう。契約延長交渉の席で「アッレグリは2024年夏で解任する」と告げれば、代理人から選手の耳に届きます。
今季後半戦にアッレグリ監督の起用方法に不満を公言した選手は “クラブが契約延長を希望していると目される選手ばかり” ですし、状況証拠は揃っているからです。
アッレグリ監督が『クラブの意図』を知らされたのはジュントリ FD が(GK ディ・グレゴリオ選手の獲得交渉をするために)モンツァのガッリアーニ CEO との会食をした4月中旬以降でしょう。
アッレグリ監督とガッリアーニ CEO はプライベートでも食事をする間柄。
“記者会見で何を言われても皮肉で返していたアッレグリ監督” が「それは責任者に質すべき」と矛先を変え、“プレーへの批判ですら選手を守り続けていたアッレグリ監督” が「選手の技術的なミスを指摘するようになった」からです。
また、第34節ミラン戦では交代枠が残っていた状況で『アルカラス選手の投入』を見送りました。
この選手起用も「クラブの意図を知ったことによる変心」で説明できるため、不穏な雰囲気が取り巻く状況でシーズン最終盤を戦わざるを得なくなるでしょう。
ユベントスの現・執行部は「責任者が批判に晒されることを嫌って『いずれ明るみに出る不都合な情報』をクラブ内に告げることすら可能な限り先送りにする」という判断をしています。
『 “今シーズンの上半期に計上した人件費” が「前年同期からわずか300万ユーロの削減」に留まっていた実態』がその具体例ですし、現・執行部の組織マネジメント能力に疑問符が付くことは最早避けられないでしょう。
上層部のミスを現場で帳尻を合わせることは簡単ではありません。それだけに執行部が組織マネジメント能力を有し、的確に行使することができているのかに注目です。