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コラム: 「課題である守備」を極力免除されるイタリア代表だとボヌッチは水を得た魚のように躍動する

 イタリア代表でのボヌッチ選手はユベントスでのパフォーマンスとは対象的に生き生きとしています。

 イタリア代表でボヌッチ選手が躍動するのは「課題の守備が負担にならないゲームモデルが採用されているから」です。ただ、そのゲームモデルをユベントスで採用することは(誰が監督でも)不可能です。

 したがって、ユベントスでのボヌッチ選手は「不良債権としての地位を揺るぎないものにするパフォーマンスが続くことになる」でしょう。

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チームとして「ボヌッチの守備力を隠す守り方」をするイタリア代表

 イタリア代表が9月に行われた UEFA ネイションズリーグで手応えを掴んだのは「ユベントスでも馴染みがある 3-5-2 で好パフォーマンスを示したから」です。

 ただ、ユベントスでの 3-5-2 とは以下の違いがありました。

  1. イタリア代表: ボヌッチは守備を事実上免除
    1. 前線の2トップを筆頭にハイプレス(で相手にボールを蹴り出させる)
    2. 押し込まれた際はボヌッチ以外で 4-4-1 のブロックを形成
  2. ユベントス: ボヌッチは「3バックの中央での守備」を担当
    1. アッレグリのチームはハイプレスが不得手
    2. “DF 最高給の選手” が「守備の負担軽減」は意味不明

 イタリア代表ではボヌッチ選手は『リベロ』の立ち位置で、守勢に回った際に「ボヌッチが対処するデュエルは可能な限り安易な局面」になるよう設計されています。

 このゲームモデルをユベントスにも “移植” できれば、ボヌッチ選手は間違いなく躍動します。

 しかし、それは不可能でしょう。クラブチームは選手への報酬に差があるため、仕事を免除するのであれば相応の埋め合わせが不可避となるからです。

 

“DF 最高給を得ているボヌッチ” を除く10人での守備はクラブチームではあり得ない

 イタリア代表が押し込まれた際に『(必要なら)ボヌッチを除く10人で 4-4-1 の守備で耐えれるように設計したゲームモデル』が機能するのは「報酬が対等」だからです。

 クラブチームでそれをやると『聖域』が発生することになり、チーム内は険悪になることは避けられません。しかもボヌッチ選手は「ユベントスの守備陣の中で最高給を得ている DF」なのです。

 その選手の守備力をカバーする目的で「前線からのハイプレス」や「DF および MF 陣の献身的なサポート」を要求すればチーム内に不満が募るのは火を見るよりも明らかです。

 『ボヌッチ選手の拙い守備力を覆い隠せるゲームモデル』を導入するなら、“負担が増える選手” をボヌッチ選手の年俸を振り替えで報いる必要があります。ただ、報酬は契約によって守られているため、変更は現実的に不可能でしょう。

 

 “守備の拙い DF” を最終ラインで無理に起用する必要性はありません。ビルドアップを重要視するなら「レジスタ(のロカテッリやパレデス)を3バックの中央で起用」すれば良いことだからです。

 したがって、ボヌッチ選手への逆風は今後も吹き続けることになるでしょう。