2023年夏の移籍市場で上位勢の監督人事が注目されているセリエAですが、チームの編成責任者であるスポーツ・ディレクター(SD)の人事にも突如動きがありました。有能な SD を適切なタイミングで確保できるかはユベントスにとっても重要なテーマだと言えるでしょう。

日本時間6月6日時点での状況は下表のとおりです。
会長 | CEO | SD | |
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ユベントス | フェレーロ | スカナヴィーノ | (空席状態) |
ナポリ | デ・ラウレンティス | キアヴェッリ | ジュントーリ (退職交渉中) |
ミラン | スカローニ | フルラーニ | (退任濃厚) |
インテル | チャン | マロッタ | アウジリオ |
ローマ | フリードキン | ソウルコウ |
ピント |
ラツィオ | ロティート | (モスキーニ) | (退任) |
ユベントスは不正会計疑惑問題でケルビーニ SD が2023年1月の時点から職務停止状態となっており、(対外用に)明確な責任者の指名が必要な状況です。
新 SD の本命はナポリのジュントーリ SD。2024年夏までの契約を1年前倒しでの打ち切りに向けた退職交渉が進んでおり、ナポリは「後任の SD 探し」に迫られています。
その状態でラツィオのターレ SD が退任。サッリ監督が『クラブの補強方針』に対する不満をシーズン最終戦の前に明言したことから “急転直下で” ターレ SD の退任が決定しました。
これはロティート会長が「サッリ監督の肩を持った」からでしょう。したがって、ラツィオは今夏の移籍市場でサッリ監督のリクエストを最大限配慮した動きをすると予想されます。
また、ミランがマルディーニ TD とマッサーラ SD を事実上解任。補強戦略で上層部(=オーナー陣)との見解の相違が生じたことが理由で「退任の正式発表は時間の問題」と見られています。
ユベントスの注目点は「ジュントーリ SD が(ナポリから)解放されるまで待つのか」でしょう。
ジュントーリ SD 以外にも手腕が評価されている SD がフリーになったからです。どの監督も「自分の要望を最大限に実現してくれる SD」を望みますし、アッレグリ監督は旧知の間柄でもあるマッサーラ SD の就任を期待するでしょう。
そうした状況であるから「クラブが有能な SD を適切なタイミングで指名できるか」が重要になるのです。
まずはユベントスが空席状態となっている SD に誰を任命し、どのような職務上の目標を与えて 2023/24 シーズンに臨むのかに注目です。