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ケルビーニSDへのスポーツ司法での職務停止処分が科されたユベントス、「新 SD 探し」をせざるを得ない状況へ

 ガゼッタ・デッロ・スポルト』が「ユベントスは新たなスポーツ・ディレクター探しに本腰を入れるだろう」と報じています。これは不正会計問題でケルビーニ SD への職務停止処分がイタリアのスポーツ司法で確定したことが理由です。

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 不正会計問題で「クラブに勝点15剥奪」や「前・経営陣に資格停止」の処分が下されていたユベントスですが、イタリア五輪委員会(CONI)の裁定でケルビーニ SD の職務遂行が難しくなりました。

 ただ、アリヴァベーネ前 CEO とケルビーニ SD は “とばっちり” です。

  • CONI のスポーツ保証委員会による裁定
    • アニェッリ前会長: 職務停止2年 → 控訴棄却
    • アリヴァベーネ前CEO: 職務停止2年 → 控訴棄却
      • 2021年7月1日付でCEOに就任
      • CEOに就任前は非常勤取締役
    • ケルビーニSD: 職務停止1年4ヶ月 → 控訴棄却
    • ネドヴェド前副会長(常勤): 職務停止8ヶ月 → 判決の差し戻し
    • 他の非常勤取締役(6名): 職務停止8ヶ月 → 判決の差し戻し

 アリヴァベーネ前 CEO が職務に就いたのは 2021/22 シーズン以降であり、2020/21 シーズンまでは「全員の制裁判決が差し戻された非常勤取締役」でした。CONI の裁定ですら偏りがあることは否めないでしょう。

 また、ケルビーニ SD はパラティチ前 CFO の方針に否定的だった人物です。

 ユベントスの SD に取締役会での議決権はありませんし、常勤の取締役だったネドヴェド副会長は「判決差し戻し」となっています。「巻き添えで職務遂行の道を断たれた」と言わざるを得ないでしょう。

 これにより、ユベントスは「新たな SD 探し」が必要となりました。スイスのスポーツ仲裁裁判所に持ち込むことは可能ですが、処分凍結の暫定措置を出させる時間も惜しい状況だからです。

 

 ユベントスが新 SD を探す理由は「(一部の例外を除いて)トップチームの編成責任者は SD だから」でしょう。

表: 各クラブの上層部(2023年4月25日時点)
会長 CEO SD
ユベントス フェレーロ スカナヴィーノ ケルビーニ
(空席状態)
ナポリ デ・ラウレンティス キアヴェッリ ジュントーリ
ミラン スカローニ フルラーニ マッサーラ
インテル チャン マロッタ アウジリオ
ローマ フリードキン ベラルディ
ソウルコウ
ピント
ラツィオ ロティート (モスキーニ) ターレ

 ナポリやラツィオは『所属選手の引き抜き』が噂された際に会長が移籍金を吹っかける発言をしたことが報じられているのであって「移籍の実務を担っているのは SD」という現実があります。

 そのため、ユベントスも SD に「監督を含むトップチームの編成責任者としての役割」を託すことになると思われます。

 

 不正会計問題の決着が付くまでは具体的な動きは起こしにくいでしょう。SD が不在のままで夏の移籍市場を迎えるのは好ましくないため、最終的にどのような動きとなるのかに注目です。