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ナポリ戦での大敗によって『アッレグリ更迭論』が再び燻り始める

 ガゼッタ・デッロ・スポルト』によりますと、週明けに行われる株主総会で取締役会が新たに発足するユベントスで「ナポリ戦での大敗」を理由に『アッレグリ更迭論』が再燃する可能性があるとのことです。

 「ジダン就任」の可能性もありますが、基本的には「アッレグリ続投」となるでしょう。クラブを取り巻く状況は「アッレグリ続投」がスムーズだからです。

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 まず、ユベントスの監督に対する『要求』と『チーム編成における制約』は以下のようになると思われます。

  • クラブから監督に対する要求
    • セリエAおよび欧州での覇権奪還
  • チーム編成における制限
    1. 予算の厳守
    2. Bチーム所属選手の “定期的な” 引き上げ

 スポーツ面では「セリエAおよび欧州での覇権を奪還」すること。その手腕を有する監督に来季以降のチームを託すことになるはずです。

 ただ、クラブは不正会計疑惑への対処など「現場の責任者である監督からの要求をすべて満たすことはできない」という事情を抱えています。したがって、監督人事が2023年夏までに大きく動く可能性は低いと言えるでしょう。

 

  本命: アッレグリ続投

 現状では『アッレグリ続投』が最有力です。アッレグリ監督はクラブに「自身の昇給」や「選手の獲得」を強く要求するタイプではないことが上層部から評価されるポイントです。

 この点が親会社である Exor のエルカン会長が『続投』を支持した大きな要因でしょう。ただ、アッレグリ監督にも問題はあります。

表: ユベントスに求められる成績
Serie A UEFA CL Coppa

理想 スクデット 優勝 優勝
現実 優勝争い ベスト8以上 決勝進出
及第点 4位 16強 4強
解任ライン 5位以下 GS敗退 8強以下

 1つは “すでに” チャンピオンズリーグでグループ敗退を喫していることです。これは『解任ライン』に抵触しているため、成績不振を理由に解任を通告されても文句は言えません。

 もう1つは「残りシーズンで新執行部との埋められない溝が生じた場合」です。この場合でも『予想に反して解任』は起こり得ます。

 アッレグリ監督のチームは「勇気を持って前線からプレスを仕掛けてくる相手」に苦戦し続けているため、有効策を確立できない状況が今後も続くようだと監督交代を求める声が止むことはないでしょう。

 

  対抗: ジダン就任

 アッレグリ監督が解任された場合に就任が期待されているのはジダン監督です。フランス代表のデシャン監督が2026年まで契約延長をしたことで事情が大きく変わったことが就任の追い風となっています。

  • ジダン就任のポジティブ面
    • レアル・マドリードでの実績
    • 現役選手へのカリスマ性
    • ティフォージからの支持
  • ジダン就任のネガティブ面
    • レアルと比較すると “土台” が脆弱

 「アッレグリ監督が苦労しているナポリのような強度の高いサッカーへの対処策をチームに授けてくれるはず」との期待感がジダン監督の就任を後押ししていることは容易に想像できます。

 その一方での懸念点は「今のユベントスにレアル・マドリードのようなチーム基盤がないこと」です。

 ユベントスにモドリッチ選手はいませんし、世界最高の選手を獲得する資金力もありません。この条件下でジダン監督が『セリエAと欧州での覇権奪還』に挑戦することに魅力を感じるのかは未知数です。

 したがって、「アッレグリ監督を解任すればジダン監督が自動的に就任する」とは限らないでしょう。

 

  単穴: コンテ復帰

 コンテ監督もユベントスの監督候補に残っているはずです。ただ、優先順位はそれほど高くはありません。その理由は「クラブが設ける『チーム編成における制限』に抵触する可能性が極めて高い」からです。

 ユベントスが大不振に陥っていた2022年10月は『コンテ復帰』が最有力だったことでしょう。コンテ監督の指導スタンスである「厳格な規律を設けてチームを立て直せる指揮官」が必要な状況でした。

 しかし、チームは不振を脱出。リーグ戦8試合連続クリーンシート達成で要求が「立て直し」から「成熟」へと変わりました。

 コンテ監督は「トッププレーヤーの獲得」を移籍市場ごとに強く要求してチームの強化を図る指揮官でもあるため、このタイプはユベントスの新執行部と反目する確率が大です。そのため、コンテ監督の復帰は『保険』の位置付けになるでしょう。

 

 「監督交代の火種は燻っているものの再燃するまでには至っていない」がユベントスの現状と思われます。まずは新たな取締役会とアッレグリ監督など現場部門の関係性がどうなるのかに注目です。