イタリアの一般紙『ラ・レプッブリカ』によりますと、取締役会が総辞職したユベントスにジュゼッペ・マロッタ氏が復帰する可能性もあるとのことです。ただ、統治の体系が不明瞭である点などがネックになるでしょう。
ユベントスの CEO兼GM を辞したマロッタ氏はインテルでも手腕を発揮し、2020/21 シーズンにスクデットをインテルで獲得しています。
インテルとマロッタ氏の契約は2025年まで。レプッブリカ紙は「ユベントスから復帰の要請があれば(固辞することなく)迷うであろう」と希望的観測で報じている状況です。
マロッタ GM をユベントスから追放したパラティチ CFO はクラブを去っていますし、同調したアニェッリ会長も職を辞しています。したがって、Exor のエルカン会長が要請すれば「マロッタ GM の復帰」はあり得ると思われます。
しかし、問題となるのはクラブの統治体系でしょう。
- 取締役会:会長
- クラブ経営の責任者: CEO
- スポーツ部門: GM / Chief Football Officer
- サッカークラブの花形部門
- 会計部門(Chief Financial Officer)
- 広報部門
- etc.
- スポーツ部門: GM / Chief Football Officer
- クラブ経営の責任者: CEO
マロッタ氏は「『スポーツ部門のトップである GM』と『クラブ経営のトップである CEO』を兼務することで能力を発揮するタイプ」です。
ただ、ユベントスはマロッタ氏の後任となったパラティチ CFO が暴走したことで不正会計疑惑に見舞われたため、クラブの統治体系を変更しなければならない状況です。
『スポーツ部門の暴走に歯止めをかけることができる企業統治体系』はマロッタ氏にとって裁量が制限されて窮屈に感じる可能性があり、復帰の要請に応じない理由にもなり得るでしょう。
スポーツ部門の変更が行われるのはシーズンが終了した2023年初夏以降が現実的ですし、まずは「新しい取締役会と取締役の職務」が注目点になると思われます。