ユベントスは公式サイト上で取締役会が 2021/22 シーズン前期の決算を承認したと発表いたしました。今期は1億1900万ユーロの赤字で終えることとなり、これは前年同期と同じ水準になっています。
売上高・事業費・当期損益などは下表のとおりです。
年度 | 変化量 | |||
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項目 | 2021/22 | 2020/21 | 数値 | % |
売上高 | 223.1 | 258.3 | (35.2) | -13.6% |
事業費 | 242.4 | 263.4 | (21.0) | -8.0% |
償却費 | 91.8 | 99.9 | (8.1) | -8.1% |
事業収支 | (111.1) | (105.1) | (6.0) | -5.7% |
税引き前損益 | (117.6) | (110.2) | (7.4) | -6.7% |
当期損益 | (119.0) | (113.7) | (5.3) | -4.7% |
当期損益は前年同期比でマイナスとなる1億1900万ユーロの赤字となりました。
内訳を確認しますと、選手年俸など人件費の削減が進んだことで事業費は前年より2100万ユーロの減少を記録。しかし、放映権料が前年より4000万ユーロ弱の落ち込みとなったことが当期損益に影を落としています。
ただ、人件費の削減はまだ道半ばです。そのため、今夏の移籍市場においても「費用対効果の優れない選手の放出(=換金)」が続くことになるでしょう。
クラブとしては「2022/23 シーズンから経営状況は改善に向かう」と決算書で言及しているものの、そのためには『チケット収入』と『放映権料』の回復が不可欠です。
前者は「新型コロナ対策」でスタジアム収容率に制限が設けられ、半期で4000万ユーロ弱を記録していた売上高が当期は1300万ユーロに留まっています。こちらは「当局の対応次第」と言わざるを得ないでしょう。
後者の『放映権料』は「チームの成績」が影響していることは否定できません。広告塔でもあったロナウド選手が退団し、チームの立て直しも上手く行っているとは言いにくい状況だからです。
経営的な困難に耐えるためにも、まずは現有戦力の能力を最大限に活かしてピッチ上での結果を残すことが重要になると考えられます。
来季以降を見据えた “準備” が良い形で進んでいるのかに注目です。