ユベントスが公式サイト上で 2019/20 シーズン通期の決算書を発表していましたので、最後に収支状況を確認することにしましょう。
2019/20 シーズンの通期にユベントスが記録した収支は下表のとおりです。
項目 | 2019/20 (通期) |
2018/19 (通期) |
---|---|---|
チケット販売 | 49,200,379 | 70,652,591 |
テレビ・ラジオ放映権 およびメディア収益 |
166,378,556 | 206,642,858 |
スポンサー/広告収益 | 129,560,768 | 108,842,634 |
製品・ライセンス販売 | 31,725,193 | 44,026,765 |
選手登録権益 | 172,020,621 | 157,186,818 |
他の収益 | 24,538,574 | 34,104,728 |
総収益 | 573,424,092 | 621,456,394 |
用具/サプリ等購買費 | (3,207,790) | (3,733,793) |
販売用製品購買費 | (12,142,221) | (17,501,352) |
外部サービス | (71,126,279) | (81,236,433) |
選手年俸/スタッフ費用 | (259,273,661) | (301,334,879) |
他の人件費 | (25,065,396) | (26,416,512) |
選手登録権への費用 | (31,123,416) | (15,521,017) |
他の支出費用 | (12,184,348) | (12,717,676) |
総事業費用 | (414,123,111) | (458,461,662) |
選手登録権の償却/評価損 | (175,216,599) | (149,440,966) |
有形/無形資産の償却 | (17,417,474) | (11,722,391) |
引当金 | (15,468,313) | (17,160,672) |
営業利益 | (48,801,404) | (15,329,297) |
金融利益 | 4,217,342 | 3,429,230 |
金融費用 | (17,706,544) | (14,496,878) |
JV費用 | (1,107,177) | (500,891) |
税引き前利益(損失) | (63,397,783) | (26,897,835) |
当期税金 | (7,914,280) | (11,738,088) |
繰越税金 | (53,210) | (1,259,871) |
当期利益(損失) | (71,365,272) | (39,895,794) |
コロナ禍の影響を大きく受けたシーズンだと言えるでしょう。具体的にはチケット収入が前年比で2000万ユーロのマイナス、放映権料が4000万ユーロの減少に見舞われたことで『売上高』を大きく落とす結果となりました。
一方で『総事業費』も約4000万ユーロのマイナスを記録。こちらは選手などが年俸カットに応じたことで人件費が減少したことが要因と言えるでしょう。
ただ、選手獲得のために費やした移籍金の減価償却分を先送りすることはできません。この額が前年よりも1500万ユーロ増加したことで営業損益が拡大。そこに金融費用と税金が加算されたことで7000万ユーロ超の赤字決算となりました。
大きな変化があったとは言えない状況が続いていますから、「2020/21 シーズンも経営的には厳しい環境になる」と覚悟する必要があるでしょう。
事業予想は「2020/21 シーズンも赤字」というお馴染みのフレーズがありますが、「2019/20 シーズンよりも黒字で終えるためのハードルは高い」ことが実態と言わざるを得ません。
まずは余剰人員を削減し、クラブ支出の大部分を占める人件費を減らす必要があります。
その上で「コストパフォーマンスの悪い高給取りの放出」および「無駄なマネーゲームを招いたフロント陣へのガバナンス強化」を並行して実施すべきでしょう。
「辣腕のマロッタ前 GM を切ったのは正しかった」と現フロント陣がクラブ会計で証明することができるのかに注目です。