2021/22 セリエA第27節エンポリ戦はケーン選手のゴールで先制したユベントスがヴラホビッチ選手のドッピエッタで得たリードを辛くも守り切り、2-3 で勝利しました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Empoli FC [4-3-1-2] |
Juventus FC [4-3-3] |
|
---|---|---|
GK | 13: ビカリオ | 1: シュチェスニー |
DF | 30: ストヤノビッチ 34: イスマイリ 33: ルペルト 21: カカーチェ |
6: ダニーロ 19: ボヌッチ (C) 4: デ・リフト 17: ペッレグリーニ |
MF | 27: ジュルコフスキ 23: アスラニ 25: バンディネッリ (C) 10: バイラミ |
28: ザカリア 5: アルトゥール 25: ラビオ |
FW | 11: ディ・フランチェスコ 99: ピナモンティ |
11: クアドラード 7: ヴラホビッチ 18: ケーン |
エンポリのアンドレアッツォーリ監督は 4-3-1-2 を選択。ピナモンティ選手とディ・フランチェスコ選手が2トップを組み、バイラミ選手がトップ下でサポートする陣容で試合を迎えます。
対するユベントスのアッレグリ監督は 4-3-3 を選択。レジスタにアルトゥール選手を起用し、左 WG としてケーン選手にチャンスを与える布陣で試合に臨みます。
先に決定機を得たのはユベントス。7分に相手のスリップからボール奪取をしたヴラホビッチが持ち上がると、ラストパスを受けたザカリアがシュート。だが、GK ビカリオの飛び出しで防がれてしまう。
試合が動いたのは32分。ユベントスはペッレグリーニの縦パスに走り込んだラビオからの折り返しを中央でマークを外したケーンが高い打点のヘディングで叩き込み、エンポリのハイプレスに苦戦していたユベントスが1点を先行する。
しかし、36分にアクシデント。ザカリアが左足を痛めた様子でプレー続行不能となり、ロカテッリとの交代を強いられてしまう。
一方のエンポリは39分にピナモンティのシュートが相手に当たったことで獲得した左 CK から生じたこぼれ球をジュルコフスキが押し込むことに成功。1-1 の同点に戻すことに成功する。
それでもユベントスは47分にアルトゥールがパスカットに成功すると縦に素早く展開。クアドラードからの折り返しを受けたヴラホビッチがボックス内での切り返しで相手守備陣を翻弄して左足シュートを決め、ユベントスが1点を勝ち越して前半を折り返す。
後半もエンポリが仕掛けるハイプレスの強度は落ちない。
だが、スコアを動かすことに成功したのはユベントス。66分にクアドラードからのパスを左サイドで受けたモラタがドリブルで持ち上がってラストパス。これに反応したヴラホビッチが右足のチップキックで GK をかわし、ユベントスのリードは2点に拡大する。
追いすがるエンポリは76分にバイラミの FK がボヌッチにフリックする形となってクロスバーを直撃。この跳ね返りを回収して攻撃を続けると最後は右サイドにいたラ・マンティアが左足でニアを射抜き、2-3 と1点差に詰め寄る。
一気に同点に追い付きたいエンポリは80分にパリージからのクロスにラ・マンティアが飛び込んだが、ボヌッチのブロックで上手くミートすることはできずシュートは枠の外。
攻めるエンポリに対し、ユベントスは残り時間で必死の防戦でリードを守り切ることに成功。2-3 で辛くも試合を制したユベントスが勝点3を積み重ねることに成功した。
試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 5.5
シュートやクロスへの判断が鈍く、的確な対応ができていたとは言い難いパフォーマンスだった。
DF: ダニーロ 6.0
右サイドでエンポリの攻撃を上手く制限し、安定感を与える堅実なプレーを遂行した。
DF: ボヌッチ 6.0
ピナモンティなどに挑まれたバトルで後手に回る場面もあったが、味方へのコーチングや身体を張った守備でピンチを防ぐことには成功。それだけに前半に許した同点ゴールは悔やまれる形になってしまった。
DF: デ・リフト 6.0
縦パスへの潰しを積極的に行うなど献身的な守備を行う。右足首を捻った状態で最後までプレーを続けており、上手く休養を与えたいところだ。
DF: ペッレグリーニ 6.0
上々のパフォーマンスであったが、状況判断の質をもっと高める必要がある。フリーランニングの走路であったり、クリアかキープかの判断が的確になると評価がさらに高まるだろう。
MF: ザカリア 6.0
タイミングの良い飛び出しで決定機に顔を出すなど攻守両面で存在感を示していただけに負傷交代は悔やまれる。早期回復を期待したい。
MF: アルトゥール 6.5
持ち前のテクニックだけでなく、パスカットやカバーリングなどボール非保持の場面でも存在感を発揮。出場した試合で結果を残し続けている。
MF: ラビオ 6.5
PK を取られても仕方のない雑なプレーはあったが、ケーンの先制点をクロスでアシスト。左サイドやボランチとして様々な仕事を遂行した。
FW: クアドラード 6.0
セットプレー時のキッカーなどキックの精度で決定機を演出。試合終盤はパリージに振り回されたが、ヴラホビッチの2得点の起点としての効果的な役割が光った。
FW: ヴラホビッチ 8.0
ポストプレーで計算できる存在となり、ペナルティーエリア内では冷静さを発揮してドッピエッタを達成。チームとしてヴラホビッチを活かすためにどう動くかが鍵になるだろう。
FW: ケーン 6.5
ラビオが左サイドを抜け出した際に中央でフリーとなって手にした決定機で先制点を奪取。求められている仕事で結果を残した。ヴラホビッチとの2トップでマークの受け渡しがスムーズになることが今後の課題だ。
【交代選手など】
MF: ロカテッリ 6.0
37分に負傷したザカリアに代わって出場する。右インサイドハーフを務め、ボール保持の部分でクオリティー向上に大きく貢献した。
FW: モラタ 6.5
ケーンとの交代で62分から出場。左ウィングとしてサイドのスペースを埋め、クアドラードからの展開を受けた後はヴラホビッチの決勝点となる貴重なアシストを記録し、短い出場時間の中で結果を残した。
アッレグリ監督 6.5
不運な失点はあったものの前線で起用したトップチームの3選手が結果を残したことで勝利を手にした。一方でフィジカルの優位性を活かして中盤を支配する目論見は転換せざるを得ないだろう。『ボールを保持して守る術』をフル活用した方が良い。
マレスカ主審 6.0
接触プレーへの判定が緩いままだった。ジュルコフスキがラビオに背後から倒された場面やモラタやラ・マンティアなどペナルティーエリア内で足を刈られるもノーファールとした判定は物議を醸す可能性は十分にある。