ユベントスは公式サイト上で 2020/21 シーズンの前期決算を発表いたしました。当期で1億1370万ユーロの損失を計上しており、コロナ禍の影響が大きいと言わざるを得ないでしょう。
主要項目の数値は下表のとおりです。
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年度 | 変化量 | |||
---|---|---|---|---|
項目 | 2020/21 | 2019/20 | 数値 | % |
売上高 | 258.3 | 322.3 | (64.0) | -19.9% |
事業費 | 263.4 | 260.9 | 2.5 | 1.0% |
償却費 | 99.9 | 99.5 | 0.4 | 0.4% |
事業収支 | (105.1) | (38.1) | (67.0) | -175.9% |
税引き前損益 | (110.2) | (46.0) | (64.2) | -139.6% |
当期損益 | (113.7) | (50.3) | (63.4) | -126.0% |
前年同期比で売上高が6400万ユーロ(約82億円)減少。事業費や減価償却費などコスト部分は前年度とほぼ同じだったため、赤字幅が大きくなりました。
細かい部分で言いますと、チケット収入は激減。しかし、この減収分は放映権料とスポンサー収入の増加でカバーできており、差し引きは “トントン” になっています。
問題は「選手売却益が消し飛んだこと」です。昨年の選手売却益は約6400万ユーロでしたが、今季は約850万ユーロに留まっています。これでは多額の赤字が出るのは当然の成り行きと言わざるを得ないでしょう。
なお、今後の経営状況は厳しくなることが予想されます。
ユベントスの売上高は「通期 = 前期の約1.8倍」で推移しており、コストの方が上回ることが有力です。
昨季は選手が年俸削減に応じるなどの協力がありましたが、仮に今季も協力が得られたとしても収入の観点で厳しくなっていることは否定できません。
その理由は上述した「選手売却益が壊滅的なこと」ですから、“買い手” となるクラブが現れることが期待できない状況ではクラブ経営において厳しい判断を下せるかが鍵になるでしょう。
今後の数シーズンは「人件費(≒選手年俸)の削減」が常に付いて回る事態になると思われるだけにフロント陣がどのような判断を下すのかに注目です。