2021/22 セリエA第21節ローマ戦は2点のビハインドを跳ね返したユベントスが 3-4 で勝利しました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
AS Roma [4-2-3-1] |
Juventus FC [4-4-2] |
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GK | 1: R・パトリシオ | 1: シュチェスニー |
DF | 15: メイトランド=ナイルズ 6: スモーリング 3: イバニェス 5: ビーニャ |
11: クアドラード 4: デ・リフト 24: ルガーニ 2: デ・シリオ |
MF | 17: ベレトゥ 4: クリスタンテ 77: ムヒタリアン 7: ペッレグリーニ (C) 64: アフェナ=ギャン |
14: マッケニー 27: ロカテッリ 30: ベンタンクール 22: キエーザ |
FW | 9: エイブラハム | 10: ディバラ (C) 18: ケーン |
ローマのモウリーニョ監督は 4-2-3-1 を選択。エイブラハム選手が1トップに入り、ペッレグリーニ選手とメイトランド=ナイルズ選手のポジション次第で可変するシステムで試合を迎えます。
対するユベントスのランドゥッチ監督代行は 4-4-2 を選択。ディバラ選手とケーン選手が2トップを組み、ベンタンクール選手とデ・シリオ選手が新たに先発する布陣で試合に臨みます。
先に主導権を取ったのはローマ。6分に右 CK を逆サイドでスモーリングが戻すと、これをエイブラハムがヘディングシュート。これはシュチェスニーがライン上でキャッチする。
試合が動いたのは11分。ローマは左 CK を獲得すると、ベレトゥが入れたボールにニアに侵入したエイブラハムが高い打点で合わせて先制に成功する。
対するユベントスは18分に左サイドでボールを引き出したキエーザが中に仕掛けてラストパス。これを受けたディバラがミドルシュートをゴール左にワンタッチで決めて同点に追い付く。
ところがユベントスは25分にスモーリングのタックルを受けて左ひざを痛めていたキエーザが30分すぎにプレー続行となり、クルゼフスキとの交代を強いられる。49分にはスモーリングに右 CK から決定的なシュートを許すもエイブラハムの妨害に助けられ、前半は 1-1 で終了する。
後半で先にスコアを動かしたのはローマ。48分に中盤でのパスワークで2列目を突破するとムヒタリアンがミドルシュート。これがデ・シリオに当たってドロップシュートでシュチェスニーを破り、ローマが勝ち越しに成功する。
ローマは53分にユベントスのセットプレーからカウンターを発動させるとアフェナ=ギャンが倒されて FK を獲得。これをペッレグリーニがゴール左上に蹴り込み、ローマのリードは2点に拡大する。
追い込まれたユベントスはモラタとアルトゥールを投入すると、70分に右サイドで仕掛けたモラタのクロスにロカテッリが頭で合わせて1点を返す。
これで勢いに乗ったユベントスは72分にロカテッリからの展開をクアドラードが頭で折り返してモラタがトラップからシュート。相手 DF のブロックの跳ね返りをクルゼフスキが押し込むも副審はオフサイドの判定。だが、VAR でオンサイドが確認されユベントスが 3-3 の同点に追い付く。
77分にはマッケニーの浮き球をクリアしたスモーリングからのボールを奪ったデ・シリオが右足でニアサイドを居抜き、ユベントスが逆転に成功する。
だが、試合はまだ終わらない。79分にメイトランド=ナイルズのクロスをジャンピングボレーで合わせたエイブラハムのシュートがデ・リフトのハンドを誘発。VAR で2枚目イエローとなったデ・リフトは退場となり、ローマは PK を獲得。
しかし、ゴール左下を狙ったペッレグリーニの PK はシュチェスニーがストップ。93分にはカルロス・ペレスが狙うもシュートは枠のわずかに左。試合は 3-4 で終了し、打ち合いを制したユベントスに軍配が上がった。
試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 7.5
絶体絶命の状況で PK を阻止したことは大きい。失点に関しては GK の責任はなく、他の決定機を止め続けた。
DF: クアドラード 6.0
最終ラインでビルドアップに加わり、攻撃参加時には精度の高いキックなどで貢献。次節出場停止となったが良い休養となるだろう。
DF: デ・リフト 5.0
プレーの強度は前節ナポリ戦と同じだったが、2枚のイエローで退場となったことが大きなマイナス。避けることができたカードであるだけにディテールの向上が課題。
DF: ルガーニ 6.0
エイブラハムにニアへの侵入を許してしまったことは反省点。しかし、それ以外ではデュエルで優勢を保ち、前節ナポリ戦と同様にクオリティーと継続性を示した。
DF: デ・シリオ 6.5
左サイドでの的確なポジショニングと足元の技術で攻守両面で貢献。中途半端なクリアボールを抜け目なく奪取し、値千金の決勝弾を奪う集中力も光った。
MF: マッケニー 6.0
左右のアウトサイドやインサイドハーフとして奔走。積極的なミドルシュートやラストパスなど期待された仕事を忠実に遂行した。
MF: ロカテッリ 6.5
レジスタとしてボールを動かしつつ、アルトゥールがピッチに入った後はインサイドハーフとしてゴール前での仕事を担うなど中盤全体にクオリティーを提供。高い献身性も示した。
MF: ベンタンクール 5.5
堅実なプレーをしていたが、ローマのダブルボランチ陣を悩ませるまでには至らず。チームの調子も上がらず低調なパフォーマンスに終わった。
MF: キエーザ 6.0
メイトランド=ナイルズの背後をスタートポジションに設定し、左サイドのスペースを活かした突破とディバラのゴールをお膳立て。左ひざの負傷程度が最大の関心事だ。
FW: ディバラ 6.5
序盤はビーニャなどのプレスでボールロストを連発していたが、ゴール前で脅威となることを同点弾で証明。攻撃時はゴール前でのプレーに専念させられるかがチームとしての今後の課題となるだろう。
FW: ケーン 5.0
スモーリングなどローマ CB 陣の前に沈黙。前線までボールを運んでチャンスを作れなかったチームの状態が如実に現れるパフォーマンスになってしまった。
【交代選手など】
MF: クルゼフスキ 6.0
32分にキエーザとの交代で急遽出場。前半は準備不足が否めなかったが、モラタやアルトゥール投入後にはゴール前でのプレー機会が増えたことで持ち味が発揮されて結果も残した。
MF: アルトゥール 6.5
64分にベンタンクールに代わって出場。中盤での役割を引き継ぎ、足元の技術でポゼッション時に安定感をもたらす。ロカテッリをゴールに近い位置に送るなどポジションの制約を解いたことは大きい。
FW: モラタ 6.5
ケーンとの交代で64分から出場する。ロカテッリのゴールをお膳立てし、同点ゴールを呼び込む中央でのシュートを放つ。ケーンとどちらが先発で継続した結果を残せるかで序列が決まることになるだろう。
DF: キエッリーニ ー
ディバラに代わり82分から出場。10人になったチームでリードを守り切ることに奔走した。
アッレグリ監督(ランドゥッチ監督代行) 6.5
前半の1失点は狙われた形で許したものであり反省が必要だろう。キエーザにプレーを続行させたチームドクター陣も同様だ。後半は不運な形で2失点したが、開き直って攻勢に転じて逆転勝ちに持ち込んだ結果は評価されるべきと言えるだろう。
マッサ主審 7.0
的確な判定が下されていた。デ・リフトのハンドは14分のものは右足に当たって跳ね上がったボールが右手に当たったのだからノーファール。79分のものは半身で胴体部から離れた右手に当たったのだから PK は正しい。クルゼフスキのゴールを認めるなど VAR も的確に介入していた。