2020/21 セリエA第5節エラス・ベローナ戦はファビッリ選手のゴールで先制を許すも、クルゼフスキ選手のゴールで追い付いたユベントスが 1-1 の引き分けで勝点1を獲得しました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Juventus [4-2-3-1] |
Hellas Verona FC [3-4-2-1] |
|
---|---|---|
GK | 1: シュチェスニー | 1: シルベストリ |
DF | 16: クアドラード 28: デミラル 19: ボヌッチ 13: ダニーロ |
17: チェッケリーニ 6: ロバート 33: エンペレウ |
MF | 5: アルトゥール 25: ラビオ 10: ディバラ 8: ラムジー 33: ベルナルデスキ |
5: ファラオーニ 26: ビエイラ 61: タメゼ 8: ラゾビッチ 90: コリー 20: ザッカーニ |
FW | 9: モラタ | 29: カリニッチ |
ユベントスのピルロ監督は 4-2-3-1 を選択。アルトゥール選手とラビオ選手がダブルボランチで先発。2列目はディバラ、ラムジー、ベルナルデスキの3選手が流動的にポジションを変更する布陣で試合に臨みます。
対するベローナのユリッチ監督は 3-4-2-1 を選択。カリニッチ選手が1トップを務め、コリー選手とザッカーニ選手の2人がトップ下で攻撃をサポートする陣容で試合を迎えます。
試合はユベントスがボールを持ち、ベローナがハイプレスとロングカウンターを組み合わせて応戦する展開で始まる。
最初にチャンスを得たのはベローナ。13分にコリーの折り返しから惜しい場面を作ると、16分には CK の流れからファラオーニの折り返しをコリーが押し込む。しかし、オフサイドでゴールは認められず。
対するユベントスは20分にラビオのスルーパスに反応したベルナルデスキが枠内シュートを放つも、GK シルベストリが CK に逃れる。41分にユベントスはラビオの折り返しからクアドラードがフルパワーで狙うが、これはクロスバーに嫌われる。
それでも45分にクアドラードのパスに反応したモラタがループシュートを決め、ユベントスが先制したかに思われたが VAR でオフサイドと判定されてこちらもゴールは取り消し。前半は互いに譲らず 0-0 で折り返すことになる。
後半も試合の構図は大きく変わらない。ベローナは56分にザッカーニがボール奪取からドリブルで持ち上がってシュートも、これはシュチェスニーがストップ。
試合が動いたのは60分。ベローナはベルナルデスキの横パスを奪うとザッカーニがドリブルで持ち上がり、中央を並走したファビッリにラストパス。これをファビッリがゴール右に蹴り込み、アウェイのベローナが均衡を破ることに成功する。
対するユベントスは途中出場のクルゼフスキがベローナのクロスを苦にせず攻撃で存在感を発揮し始めた68分にアクシデント。中盤にまで攻め上がってボールを引き出そうとしたボヌッチが太もも裏を痛めて途中交代を余儀なくされてしまう。
ユベントスは76分にクルゼフスキの落としからディバラのシュートがクロスバーを叩くと、78分にクルゼフスキが右サイドからのカットインでシュートをゴール左下に突き刺し、個人技で同点に追い付くことに成功する。
勝ち越したいユベントスは試合終盤にかけて猛攻を仕掛ける。ディバラやモラタを中心に GK シルベストリを脅かし続けたが、牙城を崩すことは最後までできず。結局、試合は 1-1 で終了。ユベントスは2試合連続のドローとなった。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.0
最後尾で堅実なプレーに終始。ファビッリのシュートを止めれる可能性は実質的になかっただろう。
DF: クアドラード 6.5
攻守両面において持ち味を存分に発揮。縦パス・抜け出し・クロス・シュートと特長をアピールできていた。この内容を継続することが期待される。
DF: デミラル 6.5
身体能力を活かし、最終ラインでのデュエルを制して守備で奮闘。屈強な姿を最後まで見せ続けたところが心強かった。
DF: ボヌッチ 5.5
カリニッチとのデュエルに敗れ続け、ポストプレーを自由にさせたことはマイナス。偽ボランチとしての配球が上手く行った開幕節の再現を狙うも所詮は二番煎じだった。名前で相手が萎縮するのを期待するしかない。
DF: ダニーロ 6.5
左サイドバック兼センターバックとして卒なくプレーし、チームの下支えで重要な役割を担った。チームの規律を忠実に守っており、その点での評価も高い。
MF: アルトゥール 5.5
足元の技術に絶対の自信を持っていることは良く分かった。だが、攻撃のスイッチを入れる前方へのパスを出せないなら、ブレーキ役でしかない。バルサで言われて続けた課題を克服できるかが鍵になるだろう。
MF: ラビオ 6.0
中盤でバランスを取り、ボール奪取のためのプレスをかけるなど汗をかき続ける。79分に見せたシュートなど攻撃参加の積極性も良かった。
MF: ディバラ 6.5
プレスの餌食となってボール奪取される場面はあったものの、ファイナルサードで攻撃に変化を付け、枠内シュートで相手 GK を脅かすなど攻撃で存在感を発揮。ゴールに直結した仕事ができなかったことだけが悔やまれる。
MF: ラムジー 6.0
トップ下を主戦場に左サイドに展開するなどリンクマンとして機能。チャンスメイクの場面でプレーに関与し、攻撃の推進力を与えていた。
MF: ベルナルデスキ 5.0
スペースを使ったロングカウンターの場面では活きていたが、それだけだった。先制点の発端となったパスミスは痛い。クルゼフスキに能力差を見せつけられたため、厳しい立場であることを突き付けられた。
FW: モラタ 6.5
45分に至上のループシュートを決めたかと思われたが、惜しくもオフサイド。得点に対する貪欲な姿勢がプレーに現れており、心配する必要はないだろう。周囲がモラタをどれだけ信頼するかで得点数は大きく変わってくるはずだ。
【交代選手など】
MF: クルゼフスキ 7.0
61分にベルナルデスキとの交代で出場。ベローナのプレスを苦にせず持ち前のフィジカルを活かして局面を打開する。78分には個人技で同点ゴールを決めてチームに勝点1をもたらし、仕事を果たした。
DF: フラボッタ 6.0
負傷したボヌッチとの交代で75分から出場し、左サイドバックに入る。バラークとやり合ったが、穴にならずに試合を終える。
FW: ヴリオーニ ー
90分にラムジーとの交代で出場機会を得る。フィニッシャーとして期待されるも、中央で勝負する機会は訪れず。それでもサイドに流れてチャンス拡大に貢献するなど献身性を示していた。
ピルロ監督 5.5
ウィングバックを使うベローナの攻撃には 4-4-2 の守備ブロックを作り、後方からのビルドアップ時は 3-4-1-2 で相手のハイプレスの餌食となった。二日酔いで指揮をしているのかと疑うほど根本的な部分で問題を抱えている。引き分けに持ち込めたのはデュエルで勝っていたクルゼフスキによるものだ。
パスクア主審 6.0
接触プレーはマイボールなら基本的に流すというユベントスにとっては嫌な判定基準で統一していた。ディバラが倒された場面で FK を与えられていたなら、ダニーロがコリーを倒した場面は PK だっただろう。基準は一定だった。