2020/21 セリエA第3節ナポリ戦は試合開始時刻から45分が経過してもナポリが試合会場のアリアンツ・スタジアムに現れず、ダニエレ・ドベリ氏が没収試合を宣告して終了しました。
事の発端は「前節ジェノア戦の試合後にナポリのジエリンスキ選手が新型コロナ陽性反応を示したこと」でしょう。これを機にクラブ内を対象にした PCR 検査をしたところ、スタッフやエルマス選手からも陽性反応が出ました。
問題となったのは「『SSC ナポリ』で新型コロナが出たことを理由に『ナポリのあるカンパニア州の保健当局』がユベントス戦の行われるトリノへの遠征を阻止したこと」です。
カンパニア州の保健当局(Asl)は「『政府通達』を根拠にした」と主張していますが、これは試合前日の時点で「根拠にならない」とレガ・セリエAが否定。
新型コロナへの陽性反応を公表したイブラヒモビッチ選手を擁するミランなどが試合を開催していることが根拠に挙げられています。
結果的にナポリは現地10月4日20時45分にトリノには現れず。試合開始時刻から45分後にドベリ主審が終了を宣告。正式な試合結果はスポーツ・ジャッジの裁定に委ねられることになりました。
おそらく、「没収試合のためユベントスが 3-0 で勝利」という裁定が下されるでしょう。
セリエAの会合で「背番号が与えられた選手が最低13名いる場合は試合を行うこと」で “ナポリも” 合意しているため、『カンパニア州の独自ルール』に他地域のチームが合わせる必要はありません。
『SSC ナポリ』は本件では被害者に該当すると思われます。ただ、デ・ラウレンティス会長はリーグ機構やユーヴェに試合延期を陳情したものの、現地保健当局が定めた独自ルールの是非には噛み付きませんでした。
仮にナポリの延期要望を認めるにしても、ユベントスが “ボーナス” を行使して延期要請をしていないことが条件でしょう。「ユベントスの日程に空きが生じないならナポリの不戦敗」が唯一の落とし所になると思われます。
まずはリーグのスポーツ・ジャッジがどのような裁定を下すのかに注目です。