イタリア・オリンピック委員会は公式サイト上でナポリが上訴していた件に対する裁定(PDF)を発表いたしました。上訴の内容が全面的に認められたため、2020/21 セリエA第3節ユベントス対ナポリは「未開催」の扱いになっています。
10月4日に今季セリエA第3節ユベントス対ナポリ戦が開催される予定でしたが、ナポリ内で新型コロナ陽性反応者が発生。地元保健当局から遠征を妨げられたことで試合は没収試合となりました。
レガ・セリエAとイタリア・サッカー連盟(FIGC)が「没収試合」と「ナポリにペナルティーポイント1」を科していたのですが、ナポリはイタリア五輪委員会(CONI)に上訴。CONI は以下の裁定を下しました。
- 10月14日にレガ・セリエAが下した裁定
- 11月10日に FIGC が下した裁定
- ナポリへのペナルティーポイント(= 勝点1の剥奪)
内容は「ナポリの全面勝訴」となっており、第3節ユベントス対ナポリ戦は『実質的に未開催』の状態に戻りました。ただ、問題なのは「代替開催する日程の候補がないこと」です。
■ 2021年3月の国際Aマッチデー前の代替開催は非現実的
まず、来年3月の国際Aマッチデーが行われる前に代替開催することは難しいでしょう。
- ユベントスとナポリがコッパ・イタリアで早期敗退
- 準決勝の日程(2月3日と10日)での代替が可能に
- どちらか準決勝に進出した時点で開催不可
- ナポリがヨーロッパリーグのラウンド32で敗退
- 3月17日が代替試合の候補日
- ナポリがグラナダを相手に敗退する可能性は低い
ナポリはコッパ・イタリア準々決勝でローマに、ユベントスはサッスオーロに敗退させられる可能性はあります。ただ、両チームが揃って敗退となる可能性は低いため、3月の代表戦ウィークが行われるまでに代替開催は難しいでしょう。
■ UEFA のコンペティションから敗退しないと最終節までに未開催分を消化できない
現実的に「代替日として設定できるのは4月以降」でしょう。
ユベントスはチャンピオンズリーグのラウンド16でポルトを相手に敗退する可能性は低いため、準々決勝の日程を代替日として計算はできません。
そうなると、「準決勝の日程(4月末)」など数えるほどしか候補はありません。しかも、リーグ最終節は『同日・同時刻開催』が原則ですから、場合によっては「ユベントスとナポリは1試合未消化」でシーズンが終了する可能性もあります。
どのような結末を迎えることになるのかに注目です。