ユベントスは公式サイト上で 2019/20 シーズンの決算を発表いたしました。7140万ユーロの赤字で終えたことが報告された決算書は10月15日の株主総会での承認を待つことになります。
発表された決算の概要は以下のとおりです。
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年度 | 変化量 | |||
---|---|---|---|---|
項目 | 2019/20 | 2018/19 | 数値 | % |
売上高 | 573.4 | 621.4 | (48.0) | -8% |
事業費 | 414.1 | 458.5 | (44.4) | -10% |
償却費 | 208.1 | 178.3 | 29.8 | 17% |
事業収支 | (48.8) | (15.3) | (33.5) | -219% |
税引き前損益 | (63.4) | (26.9) | (36.5) | -136% |
当期損益 | (71.4) | (39.9) | (31.5) | -79% |
端的に述べますと、コロナ禍の影響でチケット収入と放映権収入が大幅な減少を記録。選手が年俸削減に応じたことで一応の帳尻は合わせたものの、誤魔化しが効かない減価償却費の続伸によって7140万ユーロもの赤字で終えることになりました。
減価償却費が重荷となるのは 2020/21 シーズンも同様ですから、「クラブの財政的な余裕は少ない」と言わざるを得ないでしょう。
「ユベントスは3億ユーロの増資をしたから余裕があるのでは?」と思う人もいるでしょうが、それは違います。なぜなら、その資金は使い切っているからです。
確かに、2019年12月31日時点では「1億3700万ユーロの現金および現金同等物」がありました。ですが、2020年6月30日には「590万ユーロ」にまで減少しています。
“金庫の金” は使われているのですから、その資金を当てにした経営をすることは不可能です。したがって、メディアが盛んに報じるようなビッグネームを札束攻勢で獲得することは非現実的と言わざるを得ません。
アニェッリ会長とパラティーチ CFO による『拡大路線』の懸念点がコロナ禍でより強調されている状況です。逆風下での経営は不可避であるだけに、どのような手腕を見せて難局を乗り切ろうとするのかに注目です。