ユベントスは公式サイト上で 2021/22 シーズンの決算を発表いたしました。当期は2億990万ユーロの赤字を計上する結果となり、厳しい経営状況が浮き彫りになっています。
売上高・事業費・当期損益などは下表のとおりです。
年度 | 変化量 | |||
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項目 | 2020/21 | 2019/20 | 数値 | % |
売上高 | 480.7 | 573.4 | (92.7) | -16.2% |
事業費 | 449.3 | 414.1 | 35.2 | 8.5% |
償却費 | 228.6 | 226.4 | 2.2 | 1.0% |
事業収支 | (105.1) | (38.1) | (67.0) | -175.9% |
税引き前損益 | (197.2) | (67.1) | (130.1) | -193.9% |
当期損益 | (209.9) | (89.7) | (120.2) | -134.0% |
2019/20 シーズンより赤字額が1億ユーロ以上も増えた理由は「売上高が1億ユーロ弱の減少を記録したから」です。
チケット収入が4000万ユーロの減少。選手売却益は1億3000万ユーロも減る結果となりました。放映権収入が7000万ユーロ弱の増加を記録しましたが、これは「新型コロナの影響で 2019/20 シーズンの試合が2019年7月以降にも開催されたこと」が大きな要因です。
売上高を押し下げることになった要因は 2021/22 シーズンも引き続き存在しています。イタリアではスタジアムの収容人数は「50% ほど」で留まる見通しで、移籍市場での売却益はそれほど期待できません。
したがって、「現有戦力でやりくりをしながら若返りを進めていくこと」がアッレグリ監督には期待されることになるでしょう。
なお、事業費が増加している要因は「人件費が前年度よりも約3000万ユーロほど増加して3億ユーロに到達したから」です。人件費の圧縮も『喫緊の課題』となることでしょう。
ユベントスの取締役会は決算を承認しており、10月末に控える株主総会での承認を図る予定となっています。親会社 Exor の承認は保証されているものの『拡大路線』を採ることは不可能となった現実に対応しなければなりません。
経営再建とチーム再建を上手く両立させることができるのかに注目です。