ユベントスの 2019/20 シーズンが終了しましたので、トップチームに所属する選手が記録した出場時間をグラフ化して比較することにしましょう。今季の出場時間は下図のとおりです。
「出場時間が全体の 30% 未満」または「第2GK が記録した出場時間を下回る」という状況の選手は今夏での放出候補になります。ただ、それは監督交代が起きていない時の話です。
ユベントスはサッリ監督が解任され、ピルロ監督が新たに就任しました。選手の序列が大きく変わると予想されるため、今シーズンの出場時間はあくまでも「参考値」に留まるしょう。
サッリ監督が主軸に置いていたのはボヌッチ選手とロナウド選手の2人だったことが出場時間から分かります。両選手ともに全体の 90% 弱をプレーし、出ずっぱりの状況でした。
しかし、“ハイラインを設定するには鈍足すぎるボヌッチ選手” と “守備の起点となるのが得意とは言えないロナウド選手” の2人が常にピッチ上にいる状況でしたから、サッリ監督のプランが機能しなかったことに対する同情の余地はあるでしょう。
レギュラー待遇で起用された選手は「全体の約 70% の出場時間」を手にしています。この水準はターンオーバーを実施する指揮官が目安とするものですから、該当する選手への起用方法は妥当な範囲です。
問題は「第2GK を務めるブッフォン選手の出場時間を大きく下回る選手の存在」でしょう。
負傷による長期離脱で起用できなかったのなら、仕方のないことです。ですが、実際は「サッリ監督が選手起用を固定した」のです。戦力外の扱いで “飼い殺し” にし、選手の評価額を激減させました。
この代償は来季(= 2020/21 シーズン)に現れるものと考えられます。
サッリ監督は「様々な選手を試すアッレグリ監督の遺産」を手にしましたが、ピルロ監督に残されたのは「偏重起用されてボロボロになったチーム」です。厳しい航海が予想されるピルロ監督が来季のチーム編成にどう携わるのかに注目です。