ユベントスの親会社で(アニェッリ家の資産管理会社でも)ある EXOR のジョン・エルカン会長が株主に宛てた手紙(PDF)の中でユベントスへの言及をしていましたので、概要を紹介いたします。
主な言及内容は以下のとおりです。
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- 2019年はピッチ内外で力強い1年だった
- 収益は(前年比で +23% の)6億2100万ユーロに到達
- 多角化戦略としてJホテルを開業し、香港支店を発足
- 全世界で4億2000万人のサポーター
- EXOR は(株式資本の 63.8% にあたる)1億9100万ユーロの増資を引き受け
- 新たに強化されたバランスシートによってユベントスがより持続可能な将来に向けて十分なポジションに付けていると信じている
- ユベントスもまた次のステージに向けた旅を開始する
- 直近4年は UEFA ランキング5位で、過去5年でトップ10に留まる唯一のイタリア勢
EXOR はユベントスに投資をしている立場ですから、EXOR の株主に宛てた手紙で「投資に疑問符が持たれる内容」に触れることはありません。そのような言及をすると、「手を引け」と株主から言われることになるからです。
したがって、「赤字決算が続いている」などのネガティブな要素は触れられないことに留意する必要があります。
ただ、手紙の中に「新たに強化されたバランスシートでより持続可能な将来に向けて十分な位置にいると信じている」と指摘されており、“釘を刺されている状況” と言えるでしょう。
マロッタ GM 時代はバランスシートを親会社である EXOR が強化する必要はなく、ピッチ上で「UEFA ランキング5位」という結果をアッレグリ監督と共に出して来ました。
現・経営陣は『堅実路線』から『拡大路線』へと舵を切り、親会社からの支援を受けたため、結果を示す責務がある状況です。
新型コロナウイルスによる経済不況の影響でしばらくは新規スポンサー獲得など商業部門での収益は厳しくなると予想されます。その中で親会社 EXOR から注文されている『持続可能な将来』をユベントスの経営陣が描けるのかに注目です。