イタリアの通信社『ANSA』によりますと、ミラノがあるロンバルディア州のアッティリオ・フォンターナ知事が「信頼できる『血清検査』を手に入れた」と宣言したとのことです。検査で抗体保持が確認された人に “パスポート” を与えて経済の再始動への持ち込む考えと思われます。
フォンターナ知事が言及した内容は以下のとおりです。
- パヴィアにあるポリクリニコ・サン・マッテオで信頼性の高い『血清学的検査』が確認された
- IgG 抗体を認識するよう設計されたもの
- 「98% 程度の信頼性」とディレクターのベントゥーリ氏
- 製造は DiaSorin 社
- 2週間以内に『CE マーク』を得る必要がある
- EU 域内で販売するには『CE マーク』が必要
- 4月末までの取得を目指す
- 抗体保持が認められると “免疫免許” を得ることになる
内容は『ANSA』が報じた記事よりも『アドンクロノス』の方が詳細です。フォンターナ知事は『CF マーク』だけでなく、FDA (アメリカ食品医薬品局)の緊急使用許可(EUA)を取得する意向を示しています。
『抗体検査』で陽性反応を示した人は「回復済み(≒ 抗体があるから新型コロナウイルスに罹患しない)」と言えます。そのため、セリエAを含む経済活動の再開時の条件に『抗体検査』を設けると考えられるのです。
ただ、この手法には問題があります。
国立感染研の抗体検査の精度評価はご覧になりましたかね?これで既感染を判断するのは非常に危険ですよ。交叉が強く疑われるデータです。https://t.co/Zeq1ZPMCCahttps://t.co/TNL34Uddaw https://t.co/KeurhAG7nA
— EARLの医学ツイート (@EARL_Med_Tw) 2020年4月7日
それは「抗体検査用キットの信頼性」です。日本の感染研が実施した抗体評価では「精度に難あり」と指摘が入る状況であり、イタリアで開発された『検査キット』も同様の可能性があります。
目論見どおりに進むかは『イタリア製の検査キット』の精度次第でしょう。集団免疫を上手く機能させてセリエAの再開へと持ち込むことができるのかに注目です。