ユベントスは公式サイト上で現地9月23日に行われた取締役会で「2021/22 シーズンの決算案が承認され、10月28日に株主総会を開催する」ことを決定したと発表いたしました。

2021/22 シーズンは2億5430万ユーロの赤字を計上しており、経営状況は芳しくありません。主な数値は以下のとおりです。
年度 | 変化量 | |||
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項目 | 2021/22 | 2020/21 | 数値 | % |
売上高 | 443.4 | 480.7 | (37.3) | -7.8% |
事業費 | 483.4 | 449.3 | 34.1 | 7.6% |
償却費 | 196.7 | 228.6 | (31.9) | -14.0% |
事業収支 | (236.7) | (197.2) | (39.5) | -20.0% |
税引き前損益 | (252.5) | (207.8) | (44.7) | -21.5% |
当期損益 | (254.3) | (209.9) | (44.4) | -21.2% |
昨季よりも売上高が4000万ユーロ弱の落ち込みを記録し、コストに該当する事業費は3400ユーロの増加となりました。それが2億5430万ユーロの赤字になった最大の理由でしょう。
ちなみに、パラティチ CFO が実権を握って『拡大路線』に舵を切った 2018/19 シーズンを境にユベントスの売上高は減少の一方です。

「選手への年俸」や「投じた移籍金の償却費」は減少しておらず、これが慢性的な赤字体質の元凶と言わざるを得ません。だから、この経営方針を採用した取締役や上層部の責任を問う声が強まりつつあるのです。
UEFA から FFP による制裁の対象となったのも「(新型コロナによる影響を無視したとしても)必然」と見なされる可能性は大いにあると言わざるを得ないでしょう。
この “決算案” は10月28日に開催される株主総会で採決される予定です。
親会社の Exor が「賛成」に回るため否決される可能性はありませんが、25日にチャンピオンズリーグ第5節ベンフィカ戦があるため、“荒れる可能性” は大いに存在する状況です。
- ユベントスの取締役会が承認した『3年計画』
- 対象は 2022/23 から 2024/25 シーズンまで
- 中長期の経済および財務バランス
- グローバル市場でのユベントス・ブランドの認知度を向上させる卓越したオペレーション
- ESG テーマの組み込みを強化
- スポーツ産業の改革と持続可能で包括的な進化のプロセスにおける積極的な役割
クラブ経営の財務バランスを取るには「事業費の削減」が “現時点で” 最重要課題になっています。
親会社の Exor は「2度の増資」を行って資金を投じたにも関わらず、経営状況が改善する兆しを示せていないことは好ましくありません。取締役会の責任を問われることは避けられないでしょう。
ピッチ上での成績が伴っていないため、それが経営面にも悪影響を及ぼしていることが実情です。スポーツ面への評価を “クラブ経営の責任を負っている取締役会” がどのように結論付けるのかに注目です。