『コリエレ・デラ・セーラ』によりますと、ローマがフォンセカ監督の要求項目に合致するルガーニ選手の獲得に本腰を入れたとのことです。買取義務が付随した総額3000万ユーロ弱の期限付き移籍での獲得を狙っており、交渉が成立する可能性はあると言えるでしょう。
フォンセカ監督が就任したローマですが、CB のマノラス選手が移籍した穴を埋めることができていません。
直近のレアル・マドリード戦ではファシオ選手とファン・ジェズス選手が先発フル出場しましたが、フォンセカ監督が以下の要件を満たす CB の補強をマスコミの前で要求しています。
- 経験があること
- 遅くないこと
- 相手の攻撃をカバーできる能力があること
ローマはマンチーニ選手をアタランタから補強はしているものの、 “ハイライン&ゾーンディフェンス” を軸にした4バックの経験は不足しています。
そのため、即戦力として計算することができず、上述の条件を満たす DF の獲得が要求されているのでしょう。
ルガーニ選手がローマの獲得候補として名前が出ている理由は「フォンセカ監督が要求する項目を満たす選手だから」です。
デミラル選手も要件を満たす選手ですが、ユベントスが今夏に1800万ユーロの移籍金で獲得したことがネックになります。これは「『デミラル選手の売却益』ー『獲得費(= 1800万ユーロ)』=『転売益』」となるからです。
ローマは “買取義務が付随した期限付き移籍” でルガーニ選手の獲得を狙っていると報じられていますが、ユベントスへの提示額は総額で3000万ユーロ弱と見られています。
ローマの CB 獲得用の予算は獲得対象がルガーニ選手でもデミラル選手でも変わらないでしょう。だから、ローマはユベントスが会計上の理由でより放出しやすいルガーニ選手にターゲットを絞っているのだと考えられます。
注目点は「(明らかに足元を見られている)ユベントスのフロント陣がローマからの獲得オファーに応じるか」です。
プリマベーラの所属歴があるルガーニ選手の減価償却費はほぼゼロです。年俸も税込で600万ユーロにも満たないのですから、人件費の圧縮にはほとんど貢献しないでしょう。
2019/20 | ルガーニ放出時 | |
---|---|---|
選手人件費 … (A) | € 414.1m | € 408m |
選手売却の収支 | € 50.7m | € 50.7m |
ローン費の回収 | € 0 | € 5m |
売上高予測 | € 500m | € 500m |
総売上予想 … (B) | € 550.7m | € 555.7m |
(A) / (B) | 75% | 73% |
『期限付き移籍』なら、今季の決算書に売却費を計上することはできません。(負傷による長期離脱で買取義務が発生しない可能性があるため)
ですから、「レンタル料(= 推定500万ユーロ)のプラス」と「ルガーニ選手の人件費600万ユーロ(推定)の圧縮」にどれだけの魅力をフロント陣が感じるか次第です。
サッリ監督が CB に要求する能力はフォンセカ監督と同じはずですが、これらを踏まえてどのような決断が下されることになるのかに注目です。