2018/19 シーズンが終了に近づいていることもあり、来季に向けた補強の動きを本格化させる必要があります。それではポジションごとの来季に向けた補強の必要性について確認するにしましょう。

2018/19 シーズンの選手層について
2018/19 シーズンにユベントスに所属していた選手とポジションは下表のとおりです。
選手名 | ||
---|---|---|
GK (3) | シュチェスニー、ペリン、ピンソーリョ | |
DF (9) |
CB | キエッリーニ、バルザーリ、ボヌッチ、ルガーニ、(カセレス) |
SB | デ・シリオ、カセレス、A・サンドロ、カンセロ、スピナッツォーラ、(クアドラード) | |
MF(5) | ピアニッチ、ケディラ、マテュイディ、エムレ・ジャン、ベンタンクール、(クアドラード、ベルナルデスキ) | |
FW (7) |
CF | ロナウド、マンジュキッチ、ケーン |
ST | ディバラ、(ベルナルデスキ) | |
WG | D・コスタ、クアドラード、ベルナルデスキ、(A・サンドロ、カンセロ) |
24選手がトップチームに登録されていました。ただ、クラブ内育成選手が2名(= 第3GK のピンソーリョ選手と FW のケーン選手)しかおらず、チャンピオンズリーグでは23名しか登録できませんでした。
この点は来季も変わらないでしょう。そのため、メディアがどれだけ「補強候補」を数多く報じたところで「代わりに放出する選手」がいなければ、クラブ経営が行き詰まることになります。
したがって、放出の対象となる選手を踏まえて補強を行う必要があると言えるでしょう。各ポジションごとの補強の必要度は次のとおりです。
2019/20 シーズンに向けたポジション別の補強ポイント
■ GK: 『低』
GK はシュチェスニー、ペリン、ピンソーリョの3選手で構成されており、補強の必要性はありません。
現行契約が最も早く満了するのはピンソーリョ選手の2020年夏です。選手が退団するリスクは低いですし、獲得に乗り出す重要度は低い状況です。
来夏は「ピンソーリョ選手の契約が満了」する上、「シュチェスニー選手の現行契約が1年」となります。むしろ、GK の処遇については2020年夏に取り組むべきテーマと言えるでしょう。
■ DF (= CB) : 『高』
今夏の最優先補強ポイントは「DF」です。DF でも「CB の即戦力を最低1選手」がノルマです。
選手名 | ||
---|---|---|
DF | CB | キエッリーニ、ボヌッチ、ルガーニ、新加入選手、(エムレ・ジャン) |
SB | デ・シリオ、A・サンドロ、カンセロ、スピナッツォーラ、(クアドラード) |
SB の人数は足りています。他チームからの引き抜きが起きない限り、補強に必要はないと言えるでしょう。一方で CB は補強が不可避の状況です。
エムレ・ジャン選手かスピナッツォーラ選手のコンバートに好感触を得たとしても、CB は4選手しかいません。そのため、即戦力の CB が必要です。3バック時の CB なら、デ・シリオ選手やA・サンドロ選手で計算ができます。
ただ、4バック時の CB を務められる人材は不足していることが否めないため、移籍金を最優先でつぎ込む必要があるポジションだと言えるでしょう。
■ MF : 『低』〜『中』
MF は「積極的な補強に動く必要はない状況」です。これは選手が足りているポジションだからです。
選手名 | ||
---|---|---|
MF | 既 | ピアニッチ、ケディラ、マテュイディ、エムレ・ジャン、ベンタンクール、(クアドラード、ベルナルデスキ) |
新 | ラムジー |
2019/20 シーズンからはラムジー選手が加入します。ダブルボランチにも3センターにも対応できるだけの選手層はあります。そのため、他チームから引き抜きが起きない限り、補強に乗り出す必要性は低いと言えるでしょう。
例えば、ピアニッチ選手にはレアル・マドリードや PSG が狙っているとの噂があり、移籍が起きる可能性はゼロではありません。このような事態に見舞われた場合に備えた準備をしておくことが求められます。
様々な選手の名前が獲得候補としてメディアを賑わせていますが、選手の放出が先に決定しない限り、獲得が具体化することはないでしょう。
■ FW : 『低』
FW は「獲得」ではなく、「放出」をしなければならないポジションです。
選手名 | ||
---|---|---|
FW | CF | ロナウド、マンジュキッチ、ケーン |
WG | ディバラ、D・コスタ、クアドラード、ベルナルデスキ、(A・サンドロ、カンセロ) | |
戻 | イグアイン、オルソリーニ、ピアツァ |
ロナウド選手と WG 型の2選手を起用した3トップが上手く機能していないため、来季も CF 型の選手をロナウド選手のサポートに配置する形が基本になるでしょう。そのため、飽和状態となっている WG 陣の人員削減は避けられません。
また、今季は期限付き移籍でチームを離れていた選手が戻って来ます。
これらの選手は「2019/20 シーズンの戦力」と言えるだけのパフォーマンスを見せたとは言い難く、移籍金を回収できるチームを探すことがフロント陣には求められるでしょう。
昨シーズンと同様に『クラブ内育成選手』が不足しています。今季はピンソーリョ選手とケーン選手の2選手だけで、チャンピオンズリーグの登録枠も23選手分しか利用できませんでした。
2019/20 シーズンも状況が好転する兆候がないため、「選手を補強するためには放出すること」が前提となるでしょう。
ただ、ニコルッシ選手など『クラブ内育成選手』の資格を満たす選手が頭角を現し始めています。したがって、若手有望株がトップチームでプレーする機会も上手く残しておくことも重要です。
こうした点を踏まえて、ユベントスのフロント陣がどのようなチーム編成とするのかに注目です。