2019/20 シーズンが7月1日から始まりましたが、夏の移籍市場が閉まるまでは約2ヶ月の猶予があります。チーム編成は未完成ではあるものの現状を把握しておく意味はあると言えるでしょう。
現時点でユベントスのトップチーム登録選手は下表のようになっています。
クラブ育成選手(残り2枠) 協会育成選手(残り0枠) |
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? | ? | |
GK(3選手) | ||
1: シュチェスニー | 21: ピンソーリョ | 22: ペリン |
DF(6選手) | ||
2: デ・シリオ | 3: キエッリーニ | 12: A・サンドロ |
19: ボヌッチ | 20: カンセロ | 24: ルガーニ |
MF(7選手) | ||
5: ピアニッチ | 6: ケディラ | 8: ラムジー |
14: マテュイディ | 23: エムレ・ジャン | 25: ラビオ |
30: ベンタンクール | ||
FW(7選手) | ||
7: ロナウド | 10: ディバラ | 11: D・コスタ |
16: クアドラード | 17: マンジュキッチ | 18: ケーン |
33: ベルナルデスキ | ||
獲得済み or レンタルバックの選手 | ||
イグアイン | ピアツァ | ペッレグリーニ |
「背番号を有している選手」と「未登録のクラブ内育成選手」で UEFA が規定する25選手の登録枠が埋まっています。そのため、現時点で極端に選手層が薄い DF 陣を補強するには「MF か FW の放出が不可避」と言えるでしょう。
なお、個別のポジションに対する寸評は次のとおりです。
■ GK (= 補強の必要性:低、放出の必要性:低)
GK は無理に補強をする必要はありません。序列も固まっていますし、「GK 論争」を起こすような選手の獲得に乗り出す必要はないからです。
ただ、ペリン選手が「継続した出場機会」を求めた場合は「相応の移籍金が得られること」を条件に放出を容認すべきです。
“この移籍が実現した後” であるなら、メディアで噂されている「ブッフォン選手の復帰」は問題とはならないでしょう。「ブッフォン選手の復帰」が(ペリン選手の退団よりも)先なら、余計な火種を作ることになってしまうからです。
■ DF (= 補強の必要性:高、放出の必要性:低)
DF は「センターバックを補強する必要性が極めて高い状況」にあります。CB は誤魔化しが効くポジションではない上、現時点で CB を本職とする選手は3人しかいません。
したがって、最低でも1人は即戦力選手を獲得しなければなりません。
ただ、「エムレ・ジャン選手を CB で起用することで急場をしのぐ」という選択肢もあるため、CB は4人体制でも持ちこたえられる可能性はあります。そのため、補強する選手と選手層を冷静に見極める必要があるでしょう。
一方で SB は「補強の必要性は薄れている状況」です。こちらは序列が完全に定まったからです。
控えとなることが濃厚なデ・シリオ選手は左右どちらででもプレー可能です。主力と目されるカンセロ選手とA・サンドロ選手で基本的に戦い、休ませたい時はデ・シリオ選手を起用すれば3選手でほとんど回すことが可能です。
サッリ監督のチームは筋肉系のトラブルが極端に少ないため、サイドバックの人数が少ないことが致命傷になる確率は少ないでしょう。そのため、ペッレグリーニ選手は期限付き移籍での武者修行に出る可能性は大いにあると思われます。
■ MF (= 補強の必要性:低、放出の必要性:高)
MF は「選手を少なくとも1人は放出(またはコンバート)すること」が不可避です。4-3-1-2 を使わない限り、中盤センターを本職とする MF は7選手もいりません。
おそらく、サッリ監督は 4-3-3 を起用するでしょうから、5〜6 選手にまで登録選手を減らす必要があります。
放出候補はケディラ選手とマテュイディ選手。コンバート候補は CB でプレーするエムレ・ジャン選手になるでしょう。起用方法によっては不満が溜まることが濃厚なポジションであるだけにサッリ監督の人心掌握術も重要になると考えられます。
■ FW (= 補強の必要性:低、放出の必要性:高)
FW も MF と同様に「選手を少なくとも2人は放出(またはコンバート)すること」が不可欠です。4-3-3 を起用するにしても、5〜6 選手を擁していれば十分だからです。
放出候補はイグアイン選手とマンジュキッチ選手の2名。前者は得意とするポジションがロナウド選手と重複していることが理由で、後者はポゼッション・スタイルには向かないことが理由にあげることができます。
コンバートの候補はクアドラード選手で、選手層が薄くなっている SB がコンバート先です。純粋な SB ではありませんが、軽率な対応ミスをしない守備力があることはアッレグリ監督時代に示していますので起用方法次第と言えるでしょう。
プレシーズンマッチが始まる頃の段階で 2019/20 シーズンの選手層がどのように変化しているのかに注目です。