現地4月2日に行われた 2018/19 セリエA第30節カリアリ対ユベントス戦ですが、ケーン選手のゴール・セレブレーションに関する形で人種差別騒動が起きています。2年連続ですので、状況を整理しておくことにしましょう。
- 2018年1月6日
- 2019年4月2日
- 2018/19 セリエA第30節:カリアリ対ユベントス
- 20分:ケーンがダイブでイエローカード
- 53分:リコヤニスがタックルでケーンを電光掲示板に激突させる
- 59分・81分:ケーンが決定機をクラーニョに防がれる
- 85分:ケーンがゴールを決め、仁王立ちパフォーマンスをする
騒動の “発端” は1年前まで遡ります。ただし、これは「ユベントス戦」に限った話で、エトオ選手やムンタリ選手が差別チャントを浴びせられていますので、問題が起きやすいスタジアムであると言えるでしょう。
ケーン選手に差別チャントが向けられたのは相応の理由があったからです。
“相手チームのエース” が “ダイブ” をすれば、盛大なブーイングを浴びせることでしょう。しかも、「タックル」という表向きの理由でピッチ脇の電光掲示板に激突させたプレーにカリアリ・サポーターは拍手喝采でした。
その後は「決定機を2度防がれている」のです。ケーン選手を挑発する理由は十分すぎるほどに存在しますし、ブーイングだけで留まっていた保証はありません。
この状況でケーン選手がゴールを決め、ゴール裏に陣取るカリアリサポーターの前で「どうだ」と言わんばかりに仁王立ちパフォーマンスをセレブレーションとして敢行したのです。
ブーイングからモンキーチャントへと鞍替えした “愚か者” も一定数は発生したでしょうし、「人種差別チャントのボリュームを上げる原因を作ったのはケーン選手」という事実は否定できないと言えるでしょう。
とは言え、ケーン選手の行為は「大ブーイングを受けるもの」であって、「人種差別チャントを受けるもの」ではありません。そのため、一線を越えたカリアリ・サポーターに対する厳しい処分を科すことができなければ、今後もサルディーニャで同じことが起きると考えられます。
セリエAの規律委員会が今回の騒動にどのような処分を下すかが最初のポイントでしょう。去年のように「ブーイング」で押し通す結果になるのか注目です。