レガ・セリエAは公式サイト上で 2018/19 セリエA第30節に起きた件に対する処分の内容(PDF)を発表いたしました。なお、ケーン選手などへの差別チャントについては「追加調査」が決定しており、現時点での処分は科せられていません。
カリアリ対ユベントス戦ではケーン選手やマテュイディ選手を対象にした差別チャントが発生し、これが問題となっています。
レガ・セリエAが下した内容は「FIGC (= イタリアサッカー連盟)の追加調査を要する」とのもので、現時点は『差別チャント』に関する処分は何ら下されていません。したがって、差別チャントが起きた時間の特定を FIGC に委託し、調査結果を見て処分を下す考えなのでしょう。
- ケーン選手がゴールを決める前から差別チャントがあった
- ケーン選手:処分見送り
- カリアリ:厳しい処分が下される可能性が大
- ケーン選手のゴール後に差別チャントが発生した
- ケーン選手:「非紳士的行為」で処分
- カリアリ:?
注目は「ケーン選手がゴールを決める前から『差別チャント』が起きていたことを示せる証拠が残っているか」という点です。
ゴール後に『差別チャント』が起きていたことは認定されるでしょう。ただ、この場合は「ケーン選手がサポーターを煽ったから」との理由でカリアリへの処分を見送る理由にすることが可能です。
しかし、そのような処分を下してしまうと「ブーイングを受け続けた選手が “相手サポーターを煽る行為” した際に『差別チャント』で応戦することを容認するのか」との “突き上げ” を受ける可能性があります。
また、「差別チャントを行ってもリーグ側から処分されない前例」を作ることになってしまいます。悪用が想定される “前例” なのですから、リーグ側としては避けなければならないケースと言えるでしょう。
ちなみにケーン選手ですが、カリアリ戦でダイブを行ったことを理由に罰金2000ユーロが科されています。これはエンポリ戦で同じくダイブを行ったミリク選手(ナポリ)と同じ処分です。
カリアリ対ユベントス戦で発生した差別チャント問題の追加調査でどのような形の結論が示されるのかに注目です。