2017/18 シーズンの公式戦が終了しましたので、ユベントスの選手・監督への評価を行いたいと思います。評価は A〜D の4段階、A が最高評価です。
第2回目の評価対象は DF です。
マッティア・デ・シリオ(25):B-
ミランから新加入のデ・シリオ選手の成績は以下のものでした。
大会名 | 試 | 得点 | 時間 | |
---|---|---|---|---|
2017/18 (出場時間率:30.5%) |
セリエA | 12 (10) | 1 | 967' |
UEFA CL | 6 (6) | 0 | 393' | |
イタリア杯 | 1 (1) | 0 | 90' | |
SuperCoppa | 1 | 0 | 34' | |
合計 | 20 (17) | 1 | 1484' | |
全試合 | 54 | ー | 4860' |
「出場した試合では安定したパフォーマンスを見せていたが、怪我による負傷離脱が多すぎた」という評価になるでしょう。したがって、来季は「継続してプレーできるコンディションを維持すること」が課題となります。
アタランタから復帰するスピナッツォーラ選手の関係で左サイドでの起用も増えると想定される中、ユーティリティー性を示すことができるかにも注目です。
ジョルジョ・キエッリーニ(33):A
DF 陣で MVP 級の活躍を見せたのはキエッリーニ選手でしょう。
大会名 | 試 | 得点 | 時間 | |
---|---|---|---|---|
2017/18 (出場時間率:65.3%) |
セリエA | 26 (25) | (2) | 2162' |
UEFA CL | 7 (7) | 0 | 630' | |
イタリア杯 | 4 (3) | 0 | 290' | |
SuperCoppa | 1 (1) | 0 | 90' | |
合計 | 38 (36) | 0 | 3172' | |
全試合 | 54 | ー | 4860' |
昨シーズンは度重なる筋肉系の負傷で出場時間が限られていたのですが、今季は DF の中心として復活。守備陣を引っ張る存在として大きな貢献を果たしました。
来季からは主将としてチームを取りまとめることに加え、ルガーニ選手やカルダーラ選手を「もう1段階成長させること」も期待されることになります。選手とコーチの “二足の草鞋” を履くことが求められる中でどういったシーズンを過ごすことになるかを見守る必要があるでしょう。
メディ・ベナティア(31):A-
序盤はルガーニ選手に遅れを取ったものの、序列を覆すことに成功し、レギュラーとしてシーズンを終えました。
大会名 | 試 | 得点 | 時間 | |
---|---|---|---|---|
2017/18 (出場時間率:54.3%) |
セリエA | 20 (19) | 2 | 1754' |
UEFA CL | 8 (7) | 0 | 565' | |
イタリア杯 | 3 (3) | 2 | 262' | |
SuperCoppa | 1 (1) | 0 | 56' | |
合計 | 32 (30) | 4 | 2637' | |
全試合 | 54 | ー | 4860' |
シーズン中にプレー内容が飛躍的に成長した選手でしたが、レアル戦とナポリ戦で試合終盤に集中力を欠いたプレーをしたことで評価を下げたことが残念だったと言えるでしょう。
ユベントスは「Fino Alla Fine (=最後まで)」をモットーにするチームです。そのため、ベナティア選手の印象が悪化したことは止むを得ないことです。ただ、挽回のチャンスはある訳ですから、来季に反省点を活かせているかが注目点です。
アレックス・サンドロ(27):A
サイドバックだけに留まらず、ウィンガーとしても高い能力を示したシーズンとなりました。
大会名 | 試 | 得点 | 時間 | |
---|---|---|---|---|
2017/18 (出場時間率:67.5%) |
セリエA | 26 (23) | 4 (4) | 2116' |
UEFA CL | 10 (10) | (1) | 900' | |
イタリア杯 | 2 (2) | 0 | 174' | |
SuperCoppa | 1 (1) | (1) | 90' | |
合計 | 39 (36) | 4 (6) | 3280' | |
全試合 | 54 | ー | 4860' |
日本代表で再び脚光を浴びた “ポリバレント” を体現している選手と言えるでしょう。「守備重視」の姿勢で臨む試合ではアサモア選手に出番を譲る形となりましたが、評価は昨シーズンに続き、良いものを得ているはずです。
来季の注目点は「チームに残留するのか」になるでしょう。代わりの選手を見つけることが簡単ではないだけに去就問題が最大の懸念事項だと言えるはずです。
アンドレア・バルザーリ(37):A
バルザーリ選手は今季も大ベテランとして守備陣を支え続けました。
大会名 | 試 | 得点 | 時間 | |
---|---|---|---|---|
2017/18 (出場時間率:48.8%) |
セリエA | 25 (14) | (1) | 1434' |
UEFA CL | 8 (7) | 0 | 654' | |
イタリア杯 | 4 (2) | 0 | 194' | |
SuperCoppa | 1 (1) | 0 | 90' | |
合計 | 38 (24) | (1) | 2372' | |
全試合 | 54 | ー | 4860' |
起用方法は「困った時のバルザーリ」というもので、アッレグリ監督から重宝されたシーズンでした。ただ、年齢を考えると、来季の起用時間は2000分未満になっているべきでしょう。
ルガーニ選手やカルダーラ選手が実力で出場時間を伸ばし、バルザーリ選手やキエッリーニ選手の出場時間を削り取ることが期待されているからです。特に、「チャンピオンズリーグでどれだけ起用されるのか」に注目です。
ベネディクト・ヘーベデス(30):D
怪我に見舞われ続け、不完全燃焼で終わったシーズンでした。
大会名 | 試 | 得点 | 時間 | |
---|---|---|---|---|
2017/18 (出場時間率:5.1%) |
セリエA | 3 (3) | 1 | 248' |
合計 | 3 (3) | 1 | 248' | |
全試合 | 54 | ー | 4860' |
ヘーベデス選手は負傷で能力を全くと言って良いほど示すことができない1年となりました。選手・クラブの双方ともに落胆のシーズンになったと言えるでしょう。
“実力の片鱗” は見ることができましたが、買取オプションを行使するためには不十分です。選手が残留を希望するのであれば、ローン移籍をもう1年延長する形にすべきだと考えられます。
クラブのフロント陣がどのような決断を下すのかが注目点です。
クワドォ・アサモア(29):B
アサモア選手は左 SB のバックアッパーとして十分すぎるほどの活躍を見せたシーズンでした。
大会名 | 試 | 得点 | 時間 | |
---|---|---|---|---|
2017/18 (出場時間率:41.7%) |
セリエA | 19 (18) | (1) | 1570' |
UEFA CL | 3 (1) | 0 | 99' | |
イタリア杯 | 4 (4) | 0 | 360' | |
合計 | 26 (23) | (1) | 2029' | |
全試合 | 54 | ー | 4860' |
A・サンドロ選手の状態が上向かなかったこともあり、昨シーズンより起用機会が多く、持ち味を活かした献身的な守備を披露し続けました。ただ、起用された大一番でチームが勝点を取り切れなかったなど評価が上がりにくかった点もあったと言えるでしょう。
今季終了を持って契約が満了するため、来季以降はユベントス以外でプレーすることになります。新天地でも良いプレーを見せてくれることに期待したいところです。
ダニエレ・ルガーニ(23):B+
ルガーニ選手にとっては「プレー時間を着実に伸ばしたシーズンになった」と言えるでしょう。
大会名 | 試 | 得点 | 時間 | |
---|---|---|---|---|
2017/18 (出場時間率:45.8%) |
セリエA | 22 (22) | 2 (2) | 1935' |
UEFA CL | 2 (1) | 0 | 110' | |
イタリア杯 | 2 (2) | 0 | 180' | |
合計 | 26 (25) | 2 (2) | 2225' | |
全試合 | 54 | ー | 4860' |
今季セリエAのプレー時間だけで昨季全体のプレー時間を超えました。守備能力がトップクラスであることは証明済みであり、来季はビルドアップなどボールを持った際のプレー精度を上げることが期待されることになります。
具体的には「右足インサイドキックの精度向上」と「プレスをかわす手段の確立」です。ルガーニ選手は “狙われる存在” でしたので、落ち着いた判断を下すための時間を生み出す要因となる技術をレベルアップさせることが求められているのです。
ルガーニ選手が重要な試合でのプレー時間を増やし、成長することができるのかに注目です。
ステファン・リヒトシュタイナー(34):A-
首脳陣からのプライオリティーは低いままでしたが、持ち前の頑丈さでチームに貢献したシーズンとなりました。
大会名 | 試 | 得点 | 時間 | |
---|---|---|---|---|
2017/18 (出場時間率:41.5%) |
セリエA | 27 (21) | (2) | 1712' |
UEFA CL | 2 | (1) | 102' | |
イタリア杯 | 3 (2) | 0 | 204' | |
合計 | 32 (23) | (3) | 2018' | |
全試合 | 54 | ー | 4860' |
デ・シリオ選手が全試合の 40% 弱で起用できなかった点と比較すると、リヒトシュタイナー選手の貢献度の高さが浮き彫りになったと言えるでしょう。闘志むき出しのプレースタイルでチームに貢献する選手として欠かせない存在でした。
リヒトシュタイナー選手は今季で契約が満了するため、後継者を指名することをクラブは課せられています。どの選手がプレーする機会を与えられるのかが注目点です。
リヒトシュタイナー選手に新天地で幸運が訪れることを祈りたいと思います。