2014/15 シーズン、ユベントスの攻撃の軸を担ったのは間違いなくテベス選手でした。シーズン序盤はジョレンテ選手がテベス選手とコンビを組んでいたのですが、年明けからはモラタ選手が先発出場する機会が増えました。
ジョレンテ選手とモラタ選手の出場記録は次のようになります。
選手 | セリエA | UEFA CL | イタリア杯 |
---|---|---|---|
モラタ | 29 (11) 試合 1,319分 |
12 (9) 試合 744分 |
4 (2) 試合 221分 |
ジョレンテ | 31 (25) 試合 1,962分 |
9 (4) 試合 414分 |
4 (3) 試合 234分 |
リーグ戦こそはシーズン序盤に出場時間を積み重ねていたジョレンテ選手の方が多いですが、モラタ選手の先発起用が増えた1月以降のチャンピオンズリーグなどでは歴然とした差が発生しました。
立場が入れ替わった理由は両選手の成績を比較すると見えて来ると言えるでしょう。
大会 | A. モラタ | F. ジョレンテ | ||
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シュート数 | 枠内本数 | シュート数 | 枠内本数 | |
セリエA | 40本 | 20本 | 38本 | 17本 |
8ゴール / 5アシスト | 7ゴール / 1アシスト | |||
UEFA CL | 18本 | 10本 | 11本 | 8本 |
5ゴール / 0アシスト | 1ゴール / 0アシスト | |||
イタリア杯 | 11本 | 6本 | 2本 | 1本 |
2ゴール / アシスト | 1ゴール / 1アシスト |
放った全シュートの内、およそ半数が枠内へ飛んでいます。そして、その中の半分(シュート全体の約25%)が得点に直結していることが見て取れます。
ところが、チャンピオンズリーグではジョレンテ選手の枠内に飛んだ8本のうち、ゴールとなったのは1本だけでした。
この大ブレーキがアッレグリ監督にモラタ選手を起用するきっかけを与えたと言えるでしょう。ジョレンテ選手が先発起用されたのはグループリーグ第1戦(マルメ)、第2戦(アトレティコ)、第5戦(マルメ)、第6戦(アトレティコ)の4試合でした。
とは言え、絶体絶命に追い込まれたオリンピアコス戦(第4戦)でチームの息を吹き返すことになった同点ゴールとなるシュートを打ったのはジョレンテ選手です。
次のマルメ戦でもゴールを決めたのですが、『昨シーズンのような活躍を取り戻しそうで取り戻せなかった』という状況から抜け出せなかったことが(モラタ選手との)立場が逆転する要因になったと思われます。
自分自身が難しい状況に直面している中でも、モラタ選手がチームに馴染めるように手を差し出し続けたジョレンテ選手の人柄は称賛されるべき点だと言えるでしょう。
起用されないことへの不満をぶちまけたりする選手が目につく中で、チームのために貢献し続けてくれたプロフェッショナルな姿勢は若手選手にとって良い規範になったと思われます。マンジュキッチ選手の加入により、おそらく移籍することになることが濃厚だと思われますが、新天地に移籍することになっても活躍し続けて欲しい選手だと言えます。