『スカイ・イタリア』などイタリアの各メディアが「ユベントスとボローニャによるクラブ間交渉が妥結すれば移籍成立」と報じ続けてきたカラフィオーリ選手の交渉は不調に終わった記事が一斉に配信されています。
ユベントスは「交渉戦術が適切だったのか」を見返す必要があるでしょう。
ユベントスが「今夏の移籍市場における CB の補強候補」として獲得に注力していたカラフィオーリ選手のプロフィールは以下のものです。
- 2002年5月生まれの22歳
- 左 SB で 2023/24 シーズンにチアゴ・モッタ監督の下で “左利きの CB” として才能が開花
- ボローニャとの現行契約は2027年夏まで
- バーゼルから獲得した際に「売却額の50%を分配」する転売条項あり
ユベントスは「3000万ユーロ以下の移籍金」でカラフィオーリ選手の獲得に乗り出していましたが、この条件でクラブ間合意に達するのは(選手側から事前合意を引き出していたとしても)非現実的。
2021年夏に “セリエAで右 SB として評価を高めた当時22歳の冨安選手” を約2000万ユーロの移籍金でアーセナルに売却しているからです。
また、今夏の移籍市場ではバイエルンがシュトゥットガルトから伊藤洋輝選手を引き抜いた際の契約解除金が3000万ユーロ弱と見られています。これらの情勢を踏まえると、ユベントスの提示額が「挑発」と見なされてしまうことは止むを得ないでしょう。
クラブ間交渉が妥結したと思われる状況は「ユベントスが5000万ユーロ超の移籍金を正式提示」すること。
ボローニャのクラブ規模では「No」と言い難い提示額であれば、キエーザ選手やヴラホヴィッチ選手をフィオレンティーナから引き抜いた時の “同様の結末” を迎えたことでしょう。
ただし、今回は親会社から「持続可能な経営」を厳命されているユベントスの現経営陣には無理難題です。
そこに取り巻きの御用メディアが「選手はユベントスと個人合意済み(=ボローニャが譲歩して移籍を成立させよ)」との “援護射撃” を加えたことでボローニャ側の態度が硬化。
ユベントスは移籍交渉の場から排除されたような状態となっています。
ボローニャに “国内のライバルであるユベントス” の補強を手助けする必要性はありません。クラブがティフォージに対して「あの金額の移籍金を提示されては拒めない」と弁明できるオファーでなければ、移籍を容認することはないでしょう。
現状ではクラブ間の関係が良好なアーセナルがカラフィオーリ選手の移籍先として有力です。ユベントスは “カラフィオーリ選手の移籍で追い出される形となるキヴィオル選手” の獲得に乗り出すのかが注目点になると思われます。