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オークツリー・キャピタルがインテルの新オーナーに就任、クラブ株式の 99.6% を取得する

 インテルは公式サイト上でオークツリー・キャピタルが最終的にクラブ株式の 99.6% を取得したと発表いたしました。将来的な見通しが早急に明らかとなったため、混乱はさほど起きないと思われます。

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 インテル・ミラノは本体の業績は開示されておらず、子会社に当たる『インテル・メディア&コミュニケーションズ』の連結決算から推測するしか経営状況を知る術はありません。

 オーナー交代の発端となったのは2021年5月に経営陣がオークツリー・キャピタルから「インテルの発行済株式 68.55% を担保に2億7500万ユーロの融資を受けた」こと。

 この “つなぎ融資” の返済期限が2024年5月20日で、スティーヴン・チャン会長は返済できずに経営権(の根拠となるインテルの株式 68.55%)がオークツリーに渡ってオーナー交代。

 その後、オークツリーは(2019年にライオンロック・キャピタルへと売却されていた)トヒル前会長が持つ株式 31.05% も取得しました。

 オークツリーは「約3億ユーロでインテル・ミラノを買収」したことになるため、“12億ユーロでレッドバードに売却されたミラン” と同じ評価額で買い手を得られれば多額の売却益を確保できます。これが買収の狙いでしょう。

 

 ちなみに、インテルが経営難に直面した理由は「コロナ禍で収入が途絶えて大赤字を計上したから」です。

 ユベントスも昨季(= 2022/23 シーズン)までの過去4年間はいずれも赤字決算。約6億5000万ユーロもの累積赤字を計上しています。

 ところが、ユベントスの金融負債は約4億ユーロで横ばい。その理由は「親会社の Exor が過去4年で9億ユーロの増資を実施してくれたから」です。

 ユベントスとインテルは経営的に『背水の陣』でしたが、ユベントスは「親会社が “札束の橋” をかけてくれたので窮地を脱することに成功」し、その手を打てなかったインテルはオーナー交代となりました。

 ただ、インテルの金融債務は「オークツリーへの返済」が中心と思われるため、チームが解体に向かうことはないでしょう。“財務状況が健全な強豪クラブ” を維持しないと高値での売却が困難になるからです。

 

 オーナー交代でチームが揺れ動いてくれると(監督解任の手法でゴタゴタ劇が生じた)ユベントスには追い風なのですが、インテルは「『新オーナーのオークツリー』と『現場』の短期的な利害が一致している」ので影響はほとんどないと思われます。

 ユベントスが他クラブの動向に惑わされることなく、経営状況を改善することができるのかに注目です。