『スカイ・イタリア』などがユベントスがチェルシーのルカク選手を獲得するため、インテルと同水準の総額4000万ユーロのオファーを提示したと報じています。ただ、クラブを取り巻く状況を考えると違和感が残ります。
イタリアメディアが報じている内容への疑問点は以下です。
- ユベントスは「減収によるチーム総年俸の圧縮」が不可避
- 2023/24: UEFA CL 不参加で約1億ユーロ
- 2024/25 以降: セリエAの放映権料&胸スポンサー
- 30歳の CF に移籍金4000万ユーロ
- クラブ内での最高水準の年俸が必要
- キエーザ(の代理人)が昇給を求める根拠にもなる
ユベントスがルカク選手を獲得するために『インテルよりも好条件のオファー』をチェルシーやクラブ側に提示したことが事実であれば、ここまで状況が拗れることはないでしょう。
ただし、現在のユベントスに “ルカク選手の獲得を決めた後” で『既存戦力の整理』に着手する経営的な余裕はありません。(ルカク選手の獲得が決まっていない)現状維持でも予算オーバーだからです。
そのため、「ルカク選手(と代理人)が『本命』から好条件を引き出すためにユベントスの名前を持ち出した」と冷めた目で見ておいた方が良いと思われます。
また、ユベントスがバルセロナのケシエ選手に関心を示しているとの報道も同様です。
バルセロナは今夏にギュンドアン選手(32)をフリーで獲得しましたが、サラリーキャップの問題で登録は完了していません。登録を完了するためには「ケシエ選手の放出」が合理的な状況です。
- バルセロナがケシエ放出を進める理由:
- シャビ監督の志向スタイルに合致しているとは言い難い
→ ラ・リーガでの先発は7試合に留まる - 昨夏にフリーで獲得したので売却益を得やすい
- 今夏の移籍市場でギュンドアンを2年契約で獲得
- シャビ監督の志向スタイルに合致しているとは言い難い
ユベントスは「アッレグリ監督がフィジカル能力に長けた中盤 MF を好む」ため、バルセロナは『ケシエ選手の引き取り』を望むでしょう。
しかし、ケシエ選手側の意向やユベントスの経営状況は考慮されていません。こちら側は『バルセロナの願望記事」と見なすべきでしょう。
一線を越えすぎた “飛ばし記事” も少なくはないため、獲得する側のクラブの経営状況や選手層を踏まえることが重要になると思われます。