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コラム: “レジスタ役のロカテッリとダブルボランチを組む相方” を試合状況に応じて変化させ続けられるかがポゼッションの鍵

 2023/24 シーズンは「ボールを保持したハイライン+ハイプレス型のスタイル」に取り組んでいるユベントスですが、結実するかの分かれ目は『自陣で相手チームのハイプレスを回避するビルドアップ能力』でしょう。

 そのためには「自陣でのビルドアップ時にチームが “窒息” しない選手配置をし続けることができるか」がポイントになると思われます。

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“レジスタ役の選手” の両脇にあるスペースを有効活用することが鍵

 自陣からのビルドアップには様々な形が存在しますが、共通している目的は「相手チームの最前線に位置する選手(≒ファーストライン)を突破すること」です。

 相手チームのファーストラインを必要最小限の人数で突破できれば、その後の展開は楽になります。だから、偽 SB や偽 CB など様々な “発明” が起きているのです。

 『自陣(の最終ライン)からのビルドアップ』はパターンが出尽くした状況にあるため、ユベントスも所属選手の特長を踏まえた上で『複数のビルドアップパターン』を習得・習熟すべきでしょう。

 『複数のビルドアップパターン』を有していると相手チームの出方に応じてピッチ上でパターンを変えることで相手のハイプレスを回避できるからです。

 

“レジスタ役(のロカテッリ)” とダブルボランチを組む選手を試合展開に応じて入れ替えることがポイント

 試合の序盤からレジスタ役の選手が “本来の立ち位置” で自由にボールを触れることはないでしょう。相手チームの選手が普通はマークしているからです。

 そのため、“レジスタ役以外の選手” が『レジスタ役』としてレジスタが本来なら陣取る立ち位置の近くでボールを配球する形を確立することが重要になります。

  • レジスタ役とのダブルボランチを形成するには、
    1. インサイドハーフが1列下がる
    2. サイドバック(またはウィングバック)が中央に絞る
    3. センターバックがレジスタ役の高さにまで進出

 『偽 SB』や『偽 CB』が発明されたのは「相手選手にマークされた状態の中盤 MF にボールを預けようとするとボールロストからカウンターを浴びる可能性が高いから」です。

 したがって、“相手チームからのマークが薄い選手” にダブルボランチのポジションで DF ラインからの縦パスを引き出す形を試合展開に応じて柔軟に作り出せるかが重要になるでしょう。

 

中盤の通気孔が閉まったままだと「窒息」か「一か八かのロングボール」のどちらかになる

 ダブルボランチのポジションでボールを引き出すことが重要なのは「ビルドアップの手詰まりに陥らないようにするため」です。

 2022/23 シーズンまでのユベントスは「レジスタやダブルボランチの位置に味方の選手が不在で DF ラインからの縦パスの選択肢が限定され過ぎていた」という “悪癖” が存在しました。

 『縦のショートパス』が選択肢から消えれば、残っているのは『横パス』か『ロングボール』です。一か八かで『ロングボール』を選択しても相手チームに回収される確率の方が高いですし、そうなると相手のポゼッションが続きます。

 『縦のショートパス』が選択肢から消えれば、残っているのは『横パス』か『ロングボール』です。一か八かで『ロングボール』を選択しても相手チームに回収される確率の方が高いですし、そうなると相手のポゼッションが続きます。

 

 自陣からのビルドアップを志向するため、ポジションを入れ替えているタイミングでミスが出た場合は「攻撃的なポジションを本職とする選手であっても『最終ラインの DF』と同じようにショートカウンターへの対応」が要求されます。

 まずは「ボランチの陣取るはずのスペースが無人になっていないか」と「ビルドアップ時のパスミスでカウンターを浴びた際に “対応すべき立ち位置の選手” が対処に乗り出しているのか」が注目点になると思われます。