サッスオーロのカルネヴァーリ CEO が『ガゼッタ・デッロ・スポルト』のインタビューで「期日までにユベントスからの正式オファーがなかったのでベラルディは残留する」と明言しています。
“ユベントスの獲得意欲が少ない案件” だったため、予想された結末と言えるでしょう。
カルネヴァーリ CEO がガゼッタ紙の取材で述べた概要は以下のとおりです。
- 10日前にベラルディの代理人がユーヴェ移籍への合意を告げて来た
- ユーヴェとのクラブ間合意はない
- ベラルディへのサッスオーロの評価額は3000万ユーロ
- 妥協点を見出す交渉の余地はあった
- サッスオーロがユーヴェと選手代理人に示した獲得交渉の期日は8月17日
- ユーヴェから正式な獲得オファーは来なかった
ポイントになるのは「ユーヴェからの正式な獲得オファーは一切なかった」という点でしょう。
ユベントスから告げられたのは「ベラルディの獲得に関心がある」のみ。選手代理人から「ユーヴェ移籍への合意」が告げられていたため、サッスオーロはベラルディの評価額を算出して交渉を待っていた状態でした。
しかし、交渉妥結に向けた妥協点を探り合うこともなく、サッスオーロが通告していた交渉期日を迎えたことでカルネヴァーリ CEO が交渉終了を宣言する形となりました。
ユベントスがベラルディ選手の『キープ』に動いた理由は「キエーザ選手から退団希望の申し出を受けた場合に備えての保険」でしょう。
しかし、2023年8月初旬の時点でユベントスの FW 陣(キエーザ、ヴラホヴィッチ、ミリク、ケーン)の誰かが退団を希望している様子はありませんでした。
当時のユベントスに「ベラルディ選手の獲得に向けて動く編成上の理由は存在しません」し、『移籍金+若手有望株の譲渡での獲得』は処分を受けたキャピタルゲイン疑惑そのものです。
サッスオーロが期待する動きをユベントスがする可能性は当初から低かったことは認めなければならないでしょう。
開幕まで2週間を切った時点で「プレシーズンに用いていたフォーメーションには存在しない『右 WG』を本職とする選手を獲得しよう」と思い立って行動を起こすクラブは極めて例外的です。
パラティチ CFO (&ネドヴェド副会長)時代なら起こり得たかも知れませんが、ベラルディ選手の獲得交渉に具体的な進展がなかったのは必然だと思われます。