イギリスの『スカイ・スポーツ』が報じた「ユベントスがルカク獲得に動いている」との記事から様々な形態での移籍を各メディアが報じています。元ネタが願望記事であり、その形式で移籍が実現することはないでしょう。
元ネタの発端は「チェルシーが保有権を持つルカク選手が “損切りが必要な不良債権” と化しているから」です。
- ルカク(30):
- 所属: チェルシー
- 現行契約: 2026年夏
- 2023年6月30日時点での残存簿価: 約6000万ユーロ
- ヴラホヴィッチ(23)
- 所属: ユベントス
- 現行契約: 2026年夏
- 2023年6月30日時点での残存簿価: 約5500万ユーロ
チェルシーにとって理想的なシナリオは「今夏にルカク選手とヴラホヴィッチ選手の交換トレードを移籍金6000万ユーロで成立させること」です。
残存簿価を移籍金とする『等価トレード』ですから、キャピタルゲインで難癖を付けられる可能性はありません。また、CF が7歳若返るのです。
これがチェルシー側(≒イギリス方面)から「ユベントスがルカク獲得に前向き」との記事が流れてくる理由です。
チェルシーとは対照的にユベントスは「ルカク選手を獲得したデメリットの方がメリットを上回る状況にあります。
- ユベントスがルカク獲得で得られるメリット
- 前線でのポストプレーが計算できる
- 交換トレード&5年契約だと減価償却費が年1200万ユーロの圧縮
- ユベントスがルカク獲得で被るデメリット
- 30歳の選手を高額の移籍金で獲得するのは異常
- 高給取りなのでチーム総年俸の圧縮に貢献しない
パラティチ元 CFO なら獲得オファーに飛び付いたとしても不思議ではありません。過去に何度も獲得が噂されていたからです。
しかし、ガゼッタ紙は「ジュントーリ FD (やマンナ 1st team FD)が関心を寄せているのはセビージャのエン・ネシリ選手」と報じています。
現行契約が2025年に満了する26歳の FW の方がヴラホヴィッチ選手の後任として適任と言えるでしょう。
ユベントスの現フロント陣も「マスコミ報道には反応しない」との方針を維持しているため、イタリア北部での取材活動をしないメディアほど “突拍子もない移籍交渉” を報じる傾向にあります。
『スカイ・イタリア』が報じていない「ユベントスがルカク選手の獲得に乗り出している」との類の報道は受け流す必要があると思われます。