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ディ・マルツィオ記者の寄稿コラム『ルカクとヴラホヴィッチの交換トレードの内幕』にはかなりの矛盾がある

 移籍に関する情報を報じる『スカイ・イタリア』のジャンルカ・ディ・マルツィオ記者が『コリエレ・デッラ・セーラ』に寄稿した “ルカク選手とヴラホヴィッチ選手の交換トレード” についてのコラムが波紋を起こしています。

 「2023年3月から接触があり、同年6月12日にルカク選手がユベントス加入で合意していた」とのシナリオは矛盾が多すぎると言わざるを得ないでしょう。

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2023年3月にユベントスがルカクに接触するのは規則違反

 まず、ルカク選手はチェルシーと2026年夏までの契約を締結しています。

 2023年3月時点でルカク選手は “インテルに” 期限付き移籍中。ユベントスがチェルシーの許可なくルカク選手に接触することは『FIFA の移籍規約違反』に該当するため、実際に接触していた可能性は低いでしょう。

 ルカク選手が所属するエージェント(Roc Nation)に所属するユベントスの選手や獲得候補はいません。

 ディ・マルツィオ氏の報道が事実だった場合、ユベントスは「2024年夏の移籍市場での新規獲得選手の登録禁止」という処分を下されても文句は言えません。フロント陣はそこまでバカではないと思われます。

 

“勝点15を剥奪されていたユベントス” がルカクを補強候補に据えていたことになる

 また、2023年3月時点のユベントスは「勝点15を剥奪されて UEFA 主催大会の出場圏外」だったことが完全に忘れられています。

 イタリア五輪委員会(CONI)のスポーツ保証委員会での裁定が出たのは2023年4月19日です。

 どっちに転ぶのか分からない状況で「(ユベントスの)マンナ SD 代行と(ルカク側の)ルドゥレ弁護士がコンタクトを取り合っていた」とのストーリーは無理があります。

 当時は「アッレグリ監督の去就」や「補強戦略の意思決定者」が不透明でした。その状況で「クラブのリソースを『ルカクとヴラホヴィッチの交換トレード』に割く」との決断が下されていたとは思えません。

 『ディ・マリアやラビオの引き留め』の方が重要でしたし、“補強戦略の意思決定者” がいたのであれば「A・サンドロの契約延長オプションを発動させるな」とアッレグリ監督に厳命していたはずだからです。

 

6月12日の時点でルカクと合意していたなら、ミリクを買い取ったことは愚行

 次に、ディ・マルツィオ氏は「チャンピオンズリーグ決勝が終わった6月12日にルカクとユベントスは個人合意していた」と主張していますが、これが事実であればユベントスのフロント陣は愚行をしたことになります。

 ユベントスは “6月21日に” ミリク選手の完全移籍オプションを行使しました。

 2023/24 シーズンの UEFA チャンピオンズリーグ出場権を逸したユベントスが『ミリクの買取を見送った上でルカクとヴラホヴィッチの交換トレード』という合理的な選択肢を採っていないのです。

  • 2023年6月の時点でユベントスの 2023/24 シーズンは実質的にセリエAのみの状態
    • 基本フォーメーションは 3-5-2
      → トップチームの FW は3選手で間に合う
      1. ルカク、キエーザ、ケーン
      2. ヴラホヴィッチ、キエーザ、ケーン
    • 3-5-1-1 にすると “攻撃的MF” をトップ下で起用可能

 実際のところは「6月中旬にルカク選手との合意は何もなくヴラホヴィッチ選手かキエーザ選手が移籍すると FW がケーン選手だけになる可能性があるからミリク選手を買い取った」でしょう。

 ディ・マルツィオ氏が描く “ストーリー” には矛盾が多すぎるように感じます。

 

 「ルカクとインテルの関係はチャンピオンズリーグで先発起用されないことで壊れ始めた」との “ストーリー” であって欲しいのはルカク選手の代理人(or 弁護士)ぐらいです。そこがディ・マルツィオ氏の情報源なのでしょう。

 偏った内容の記事になるのは必然と思われます。