『トゥット・スポルト』によりますと、ユベントスがキャピタルゲイン疑惑による UEFA からの制裁内容を踏まえた上で移籍市場での方向性を定めるとのことです。7月中頃に処分内容が判明するため、状況を整理することにしましょう。
ユベントスは何を待っているのか
ユベントスが知りたがっているのは「UEFA の規律委員会が毎月15日前後に発表する懲戒処分の内容」です。
キャピタルゲイン疑惑でイタリア・サッカー連盟と『和解』を締結したユベントスは「キャピタルゲインに関する問題があった」と認めたも同然ですから、UEFA からの処分を甘んじて受け入れなければならない状況です。
「UEFA からの処分は7月15日前後に開かれる規律委員会で判明する」と見られています。
処分の内容によって『2023/24 シーズンのチーム目標を達成するための必要戦力』が変わってくるため、ユベントスは「どのような処分が決定するのか」を固唾を呑んで見守っているのです。
「UEFA のコンペティションへの出場資格」が最大の注目点
ユベントスが『UEFA のコンペティションへの出場資格』に関心を寄せている理由は「UEFA のコンペティションに出場するか否かで必要となる選手数が変わってくるから」です。
- 2023/24 シーズンの UEFA 主催大会への出場資格なし
- UEFA ECL の出場権喪失なので痛手ではない
- セリエAに専念することが可能
→ 選手層の薄さが致命的になりにくい - 今季で契約満了するベテラン勢への退団圧力が強まる
- 2024/25 シーズンの UEFA 主催大会への出場資格なし
- 2024/25 シーズンのチャンピオンズリーグ出場権を失う可能性
- UEFA ECL を戦うための選手数が必要になる
- 2025年で契約が満了するシュチェスニーの費用対効果も見合わなくなる
ユベントスにとっての最悪のシナリオは「2023年9月中旬以降に行われる UEFA 規律委員会で『1年間の出場停止』がユベントスに科されること」です。
ただ、そのためには「7月と8月の規律委員会でユベントスへの処分内容は精査中」という “ポンコツ” さが必要です。したがって、7月中に処分の有無および内容が公表されるであろうと見られているのです。
UEFA 主催大会に出場できないなら「2チーム分の戦力」は不要
UEFA の主催大会に出場できないのであれば、ターンオーバーを前提にした「2チーム分の選手層」は不要になります。週末の1試合がほとんどだと「1.5チーム分の選手層」で乗り切れてしまうでしょう。
この “1.5チーム分の選手層で十分” というシーズンが「2023/24 シーズンと 2024/25 シーズンのどちらに訪れるのか(それとも訪れないのか)」でチーム作りに大きな影響が生じます。
また、その影響はユベントスだけではありません。“ユベントスの代わりに UEFA 主催大会への出場権を得たチーム” には「『2チーム分の戦力』が必要となるシーズンが訪れる」からです。
ユベントスはジュントーリ FD が就任したものの 2023/24 シーズンに必要となる選手数が確定していない状況にあるため、ジュントーリ FD の手腕が発揮されるのは早くて7月下旬以降でしょう。
選手獲得と並行して「余剰戦力の整理」は不可避となっているため、まずは戦力のスリム化が効率的に行われるのかに注目です。