2022/23 シーズンが終了しましたので、ユベントスの選手・監督への評価を行いたいと思います。評価は A〜D の4段階、A が最高評価です。 第1回目の評価対象はアッレグリ監督とチームのフロント陣です。
アッレグリ監督: C
アッレグリ監督がユベントスの監督して 2022/23 シーズンに残した成績は以下のとおりです。
- セリエA: 22勝6分10敗(勝点72)で3位に相当
- 勝点10剥奪で最終順位は7位
- UEFA:
- CL: グループ敗退(1勝5敗)
- EL: 準決勝敗退
- コッパ・イタリア:準決勝敗退
アッレグリ監督への評価は前半戦と後半戦で別にすべきでしょう。
前半戦は『D評価』が妥当ですし、チャンピオンズリーグのグループ敗退を理由に解任されても文句は言えません。言い訳できないほど散々な試合内容と結果だったからです。
しかし、後半戦は『B評価』ぐらいの評価を得られるはずです。クラブ上層部が総辞職を選択し、年明けに新経営陣が就任するや否や勝点剥奪処分の嵐に巻き込まれた中で上述の結果を残したからです。
したがって、シーズン全体での評価を下そうとすると正しく査定できない状況であるとの留意が必要になるでしょう。
フロント陣(≒経営陣):D
2022/23 シーズンのユベントスを率いた経営陣は前執行部も現執行部も『D評価』が下されるべきでしょう。その評価を免れるべき存在はアリヴァベーネ前 CEO だけです。
前執行部の問題は「(アリヴァベーネ前 CEO を除き)パラティチCFO時代の上層部だった」ことが理由です。
拡大経営を続ける中でクラブ財政が悪化。FFP による制裁の可能性が高まる中でも方針転換をすることなく、取り返しの付かないところにまで突き進んだ責任が免罪されることはないからです。
現執行部は「(一斉辞任で職務を投げ出した)前任の後始末」を余儀なくされたことへの同情はあるでしょう。しかし、「2023/24 シーズン以降の中長期計画が全く示されない」という経営そのものの問題が大きなマイナスです。
チャンピオンズリーグ出場権を喪失したことで『再建モード』に入らざるを得ないのは誰でも分かります。
しかし、「『この再建プラン(= 2023/24 シーズン以降の中長期計画)』を基にヨーロッパの舞台での復権を目指す」という経営陣が出さなければならないメッセージが何も発信されていないのです。
『再建案の内容』によってユベントスのトップチームを率いる理想的な監督像は変わって来ます。
現状は「2023/24 シーズンの指揮官がアッレグリ監督で良いのかを判断する『指標』が存在しない状況」なのです。これだと「現経営陣の職務怠惰」との批判は免れないでしょう。
現場の運用でカバーするにも限界がありますし、まずは「経営陣がクラブの目指す方向性を定めることが重要」と思われます。