2022/23 セリエA第16節が行われ、アウェイでクレモネーゼと対戦したユベントスは後半アディショナルタイムのミリク選手のゴールで 0-1 の勝利を手にしました。

先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。

US Cremonese [3-4-1-2] |
Juventus FC [3-5-1-1] |
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GK | 12: カルネセッキ | 1: シュチェスニー |
DF | 24: フェッラーリ 15: ビアンケッティ (C) 44: ロホシヴィリ |
15: ガッティ 3: ブレメル 6: ダニーロ (C) |
MF | 17: セルニコラ 19: カスタニェッティ 28: メイテ 3: ヴァレリ 6: ピッケル |
30: スーレ 8: マッケニー 5: ロカテッリ 44: ファジョーリ 17: コスティッチ |
FW | 9: デセルス 77: オケレケ |
14: ミリク 20: ミレッティ |
クレモネーゼのアルヴィーニ監督は 3-4-1-2 を選択。最終ラインはビアンケッティ選手を中心にした3バックを起用し、デセルス選手とオケレケ選手をトップ下のピッケル選手がサポートする布陣で試合を迎えます。
対するユベントスのアッレグリ監督は 3-5-1-1 を選択。右 WB にはスーレ選手を起用し、前線はミリク選手とミレッティ選手が縦の2トップ。カタールW杯の決勝戦に出場したラビオ選手はベンチスタートで試合に臨みます。
最初にネットを揺らしたのはクレモネーゼ。15分に最終ラインからの浮き球に反応したヴァレリがクリアを一瞬躊躇したスーレと入れ替わる形になってヘディングでシュートを決めたが、オフサイドでゴールは認められず。
命拾いをしたスーレは19分に右サイドから仕掛けて左足で巻いたシュートを放つも、これは枠のわずかに左を通過する。
ユベントスは右サイドでボールを保持して左サイドに大きく展開し、ミレッティやコスティッチがミドルシュートで局面を打開しようとするがシュートは枠を捕らえずに前半終了のホイッスル。
両チームともに相手 GK を脅かせず、前半は 0-0 で終了する。
勝利には得点が必要なユベントスは66分に途中出場のケーンのポストプレーからキエーザが縦に持ち出して左足で狙うもシュートはポストのわずかに左。
対するクレモネーゼは直後の69分にセルニコラが跳ね返したボールをヴァレリが頭で落とし、このボールに素早く反応したデセルスが左足でシュート。だが、シュートは左ポストに嫌われてゴールとはならず。
焦りが見え始めたユベントスは78分に FK を左サイドのコスティッチに展開。コスティッチからのクロスにラビオが合わせたが上手くミートせず、GK カルネセッキが CK に逃れる。
ラビオのシュートで得た左 CK からユベントスは混戦を生じるも押し込み切れず。一方のクレモネーゼはクリアからロングカウンターで 2対2 の局面を作ったが、ヴァレリのシュートはシュチェスニーがストップ。
引き分け濃厚となった試合が動いたのは90分。ユベントスはやや距離がある位置で FK を獲得するとミリクが壁をかすめるシュートを直接ゴール右下に蹴り込み、土壇場で先制に成功する。
クレモネーゼに反撃に転じる力は残っておらず、試合はこのまま 0-1 で終了。ミリクの値千金のゴールでユベントスが勝点3を獲得した。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は以下のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.5
シュートセーブの機会は少なかったが、集中力を切らすことなく80分すぎのピンチを確実に防ぎ切って7試合連続クリーンシートを自らの手繰り寄せた。
DF: ガッティ 6.0
試合の経過とともに硬さが取れた落ち着いたプレーを披露していた。細かい部分での成長は求められるだろうが、フル出場でチームが結果を残していることがプラス。
DF: ブレメル 6.0
相手 FW 陣との能力差は歴然だったが、慣れないピッチにスリップなどで苦しんだことが不完全燃焼の印象を残した。
DF: ダニーロ 6.0
持ち前の頭脳でコンディションの調整不足分をカバー。最終ラインを統率し、チームの下支えを行なっていた。
WB: スーレ 6.5
守備の不味い対応で意気消沈するかと思われたが、長所である攻撃面でマイナス分を払拭。GK がカルネセッキでなければセリエA初ゴールでチームに大きく貢献していただろう。
MF: マッケニー 5.5
カウンター対策でスペースをケアする役割も担っていたことは理解できるが、攻撃面での貢献度が少なかったことは否定できない。内容的には厳しい試合だった。
MF: ロカテッリ 5.5
技術面での不満はない。だが、相手との実力差を考えると前半の内に先制できるだけのチャンスメイクをレジスタとして遂行して欲しかった。
MF: ファジョーリ 5.5
ロカテッリとのダブルボランチでレジスタとしても計算できる存在であることを示す。ただ、マッケニーと同様に攻撃面でもう少し貢献して欲しいことも事実だった。
WB: コスティッチ 6.5
左サイドのチャンスメーカーとして中断前と変わりのないパフォーマンスを披露。後半戦も攻撃の軸として期待されるに値するパフォーマンスを示していた。
FW: ミリク 7.0
ナポリ時代にも見せていた正確な FK でチームに勝点3をもたらす。土壇場でのゴールだっただけに90分に渡る自身の仕事が報われる結果となった。
FW: ミレッティ 6.0
相手 DF と MF のライン間でボールを引き出し、シュートやパスでの展開などアクセントを付けていた。中断前と同様にゴールという結果で1段上に到達するだろう。それまでの我慢が求められる。
【交代選手など】
FW: キエーザ 6.0
55分にスーレとの交代で出場。そのまま右 WB の仕事を引き継ぐ。攻撃時にはスーレと同様に中央にも顔を出し、80分すぎのカウンターを受けた際は全速力で戻るなど状態が上がっていることを示した。
FW: ケーン 6.0
ファジョーリとの交代で55分から出場し、2トップの一角としてプレーする。ポストプレーなど中央で献身性を示してチームに貢献していた。
MF: ラビオ 6.5
ミレッティに代わって65分から出場する。中盤で強度をもたらし、得点の匂いを嗅ぎつけてゴール前に顔を出すなど内容は良かった。
MF: パレデス 5.5
マッケニーとの交代で65分から出場機会を得る。インサイドハーフでの起用だったが、持ち味をアピールしたとは言い難い内容だった。
MF: イリング ー
85分にコスティッチとの交代で出場。
アッレグリ監督 6.0
ミリクの一発に救われる結果となったが、中断明けの初戦で結果が求められていたことを踏まえると勝利は大きい。また、スーレとキエーザで右 WB の攻撃面は計算できることはプラスになるだろう。中盤 MF 陣が前線の攻撃陣に良いチャンスボールを託せるか次第だ。
アイロルディ主審 6.5
引き分けが現実的になった試合後半に荒れがちになる要素はあったが、雰囲気に飲み込まれずに上手く裁いていたと言えるだろう。審判団として良い仕事をしていた。