2022/23 セリエA第31節が行われ、ホームにナポリを迎えたユベントスは後半アディショナルタイムにラスパドーリ選手に決勝ゴールを許して 0-1 で敗れ、リーグ戦3連敗となりました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Juventus FC [4-4-1-1] |
SSC Napoli [4-3-3] |
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GK | 1: シュチェスニー | 1: メレト |
DF | 11: クアドラード 15: ガッティ 24: ルガーニ 6: ダニーロ (C) |
22: ディ・ロレンツォ (C) 3: キム・ミンジェ 5: ジェズス 17: M・オリベラ |
MF | 30: スーレ 5: ロカテッリ 25: ラビオ 17: コスティッチ |
99: アンギサ 68: ロボトカ 91: エンドンベレ |
FW | 20: ミレッティ 14: ミリク |
11: ロサーノ 9: オシムヘン 77: クヴァラツヘリア |
ユベントスのアッレグリ監督は 4-4-1-1 を選択。クアドラード選手が WB だと 3-5-2、スーレ選手とのポジション変更が可能なミレッティ選手が中盤に下がると 4-5-1 にも可変する陣容で試合に臨みます。
対するナポリのスパレッティ監督は 4-3-3 を選択。ジエリンスキ選手とラフマニ選手が温存となったものの、オシムヘン選手とクヴァラツヘリア選手の FW が攻撃を牽引する布陣で試合を迎えます。
最初に決定機を作ったのはユベントス。10分にロカテッリからのフィードを受けたクアドラードが右サイドで持ち上がってカットインからの左足で狙うが、シュートは GK メレトがブロック。
16分にはコスティッチがミリクを狙ったクロスを送るも GK メレトに阻まれてしまう。
対するナポリ39分に左コーナーフラッグ付近で獲得した FK をクヴァラツヘリアがニアに鋭いクロスを入れた場面が最も得点を感じさせる場面となり、前半は枠内シュート0本で折り返すこととなる。
しかし、ナポリはハーフタイムでの修正策が機能する。50分にロサーノからのサイドチェンジを受けたクヴァラツへリアが縦に持ち出して左足で枠内シュート。だが、このシュートは GK シュチェスニーがキャッチ。
ボールを保持してユベントス守備陣の隙を伺うナポリは70分に途中出場のエルマズがディ・ロレンツォとの連携で突破してオシムヘンにラストパス。しかし、オシムヘンのシュートは右ポストをわずかにかすめて枠外へと飛ぶ。
オシムヘンはこのプレーで得た右 CK にドンピシャのタイミングで合わせたヘディングシュートを放ったが、ボールは GK シュチェスニーの真正面に飛んでゴールとはならず。
耐え続けたユベントスは82分にナポリのパスミスからファジョーリがボール奪取をするとロカテッリが前方のディ・マリアに展開。ディ・マリアが個人技でカウンターを完結させる。
だが、ミリクがロボトカの足をブロックする形でボールを確保したとの理由でファールが取られてディ・マリアのゴールは取り消されてしまう。
ドラマが起きたのは後半アディショナルタイム。ユベントスは90分に左サイドを抜け出したキエーザがラビオとのワンツーから折り返して最後はヴラホヴィッチが押し込むも、折り返しの前にゴールラインを割っていてゴールは認められず。
逆にナポリは93分にクアドラードが攻め上がったことで生じたスペースを使って抜け出したオシムヘンがシュート。これはシュチェスニーに阻まれたが、もう1度やり直した攻撃でエルマスのクロスをラスパドーリが左足ボレーで合わせて土壇場で決勝ゴール。
試合は 0-1 で制したナポリに軍配が上がり、ユベントスはリーグ戦3連敗となった。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.0
オシムヘンの決定機などナポリの攻撃陣の前に度々立ちはだかっていたが、最後の最後に力尽きてしまった。
DF: クアドラード 5.0
後半アディショナルタイムにカウンターで相手ボックス内にまで攻め込んで倒されるも主審の笛は鳴らず。持ち場に戻って来なかったことで勝点を取りこぼす原因となってしまった。
DF: ガッティ 6.0
クヴァラツへリアを激しいマークで封じたことは自信になるだろう。前半にパンチをお見舞いしたプレーは(伝統芸ではあるが)余計だった。
DF: ルガーニ 6.5
謎。オシムヘンと堂々と渡り合って脅威を封じられる能力があるのに出場機会が訪れない。
DF: ダニーロ 6.5
不安がよぎる CB 陣の統率を求められたが、上手く取りまとめて試合を進行させた。粘り強く戦っていただけに幕切れが悔やまれる。
MF: スーレ 6.0
インサイドハーフとしてボールを引き出し、周囲との連携面などで光る部分を見せる。トップ下やサイドライン際よりもプレッシャーのかかる場所でチーム貢献できたことが収穫。
MF: ロカテッリ 6.0
DF ラインの前から精度の高いロングフィードでチャンスを演出。リスク管理やポゼッションなど献身的に働き続けた。
MF: ラビオ 6.0
スポルティング戦からの連続出場となった中でも馬力は衰えず。ナポリの MF 陣と互角の戦いを演じていた。
MF: コスティッチ 5.5
ディ・ロレンツォの巧みな攻撃参加への対応に追われ、持ち味であるキックの精度に乱れが生じる。チームへの貢献には物足りなさが残った。
FW: ミレッティ 6.0
味方と相手の立ち位置を考慮した最適なポジショニングで攻撃を潤滑にする。スーレと同様に大一番で持ち味を上手く発揮していた。
FW: ミリク 6.0
ペナルティーエリア内で貪欲なプレーを増やして欲しいが、チームのために献身的に働き続けた姿勢は評価されるべき。VAR の介入でゴールが取り消された判定は紛糾するだろう。
【交代選手など】
FW: キエーザ 6.0
コスティッチとの交代で61分から出場。4-3-3 の左 WG としてサイドライン際で縦への突破力を示し、状態が上向きであることをアピールしていた。
FW: ディ・マリア 6.0
61分にミレッティに代わって出場。4-3-3 の右 WG を担当する。ロングカウンターを完結させたはずだったが、VAR ゴールは幻となってしまった。
MF: ファジョーリ 5.5
スーレとの交代で66分から出場する。試合に上手く入れたとは言えず、攻勢を強めるナポリの前に守備に終われるだけで終わってしまった。
FW: ヴラホヴィッチ ー
90分にミリクとの交代で出場機会を得る。キエーザの突破からゴールネットを揺らしはしたが、折り返した時点でゴールラインを割っていた。2人の連携でゴールを期待させたことはプラスになるだろう。
アッレグリ監督 6.0
今季の成績から敗戦が予想された状況下で粘り強い試合運びを見せたことは事実。それだけに土壇場で信頼するベテラン選手のクアドラードが守備をサボった形になったことが大きな代償となった。若手有望株が良いアピールをした事実を収穫にしたい。
ファッブリ主審 5.5
ガッティのパンチとミリクのファール判定で物議を醸すことだろう。前者はイエローカードを出すべきだったし、後者に関してはシュートシーンではない(ので相手選手とボールの間に自らの足を入れてのブロックは許容される)。審判団としての働きが今ひとつだった。