FIFA のインファンティーノ会長が「2025年夏に32チームが参加するクラブW杯の実施」をカタールW杯の決勝戦を前にした記者会見で発表いたしました。選手を酷使する過密日程に拍車がかかることは避けられないでしょう。

国際試合に関する日程表は以下のとおりです。
FIFA | UEFA | その他 | |
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22/23 (= 2023年夏) |
カタールW杯 (2022年12月) |
Naions League Finals |
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23/24 (= 2024年夏) |
欧州選手権 (24チーム) |
アジアカップ 夏季五輪 |
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24/25 (= 2025年夏) |
クラブW杯 (32チーム) |
新方式のCL (※ 24/25以降) |
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25/26 (= 2026年夏) |
アメリカW杯 (48チーム) |
ヨーロッパのビッグクラブに所属する主力選手は「バカンス期間が皆無」と言わざるを得ないほどオフシーズンに代表チームでの試合が詰め込まれています。
2025年夏は「国際大会が組み込まれていない夏」だったのですが、今回の発表で “代表チームが参加するW杯と同等の疲労が蓄積する大会” が実施されることになりました。
休暇を取得することが困難な日程になったことは明らかです。過密日程による負傷が頻発し、プレーの質が低下するリスクを懸念せざるを得ない状況に陥ったことは否定できません。
皮肉なのは “『スーパーリーグ構想』に反対しているクラブや協会” は『FIFA の拡大方針』に反対できないことです。
「一部のクラブによる “閉じたリーグ” に反対」との姿勢を採ったのですから、「『ヨーロッパ以外のクラブ』にも『人気の欧州勢』と対戦できる “開かれた大会” が存在すべき」との主張を支持する責務があります。
“ロシア極東部のウラジオストクに本拠地を置くチーム” が UEFA チャンピオンズリーグの出場権を獲得した場合、“ユーラシア大陸の西端に位置するポルトガル勢” と同組で対戦する可能性があるのです。
「移動」や「日程」に関する懸念は聞き入れらないでしょう。
レアル・マドリード、バルセロナ、ユベントスの3クラブは「選手の健康を守るために『スーパーリーグ』の発足に向けて動く必要がある」と言える立場にあります。過密日程の波及効果にも注意が必要になると思われます。