2020/21 セリエA第2節ローマ戦は1人少ないユベントスがロナウド選手の2ゴールで追い付き、試合は 2-2 の引き分けで終わりました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
AS Roma [3-4-2-1] |
Juventus [3-5-2] |
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GK | 83: ミランテ | 1: シュチェスニー |
DF | 23: マンチーニ 3: イバニェス 24: クンブラ |
13: ダニーロ 19: ボヌッチ 3: キエッリーニ |
MF | 18: サントン 17: ベレトゥ 7: ペッレグリーニ 37: スピナッツォーラ 11: ペドロ 77: ムヒタリアン |
44: クルゼフスキ 25: ラビオ 14: マッケニー 8: ラムジー 16: クアドラード |
FW | 9: ジェコ | 9: モラタ 7: ロナウド |
ローマのフォンセカ監督は 3-4-2-1 を選択。ジェコ選手を1トップに配置し、2列目にペドロ選手とムヒタリアン選手を起用。新加入のクンブラ選手が最終ラインの一角で先発する布陣で試合を迎えます。
対するユベントスのピルロ監督は 3-5-2 を選択。新加入のモラタ選手が2トップの一角で先発。クルゼフスキ選手が右 WB に入り、クアドラード選手が左 WB に回る陣容で試合に臨みます。
試合は両チームともにボールを丁寧に繋いでフィニッシュまで持ち込もうとする展開で始まる。
最初に決定機を得たのはローマ。12分に中盤でのボールカットからムヒタリアンがドリブルで持ち上がってボヌッチを難なく交わしてシュートを放つも、シュチェスニーがストップ。対するユベントスはクロスからチャンスを作るが、シュートを打つ前に防がれてしまう。
試合が動いたのは30分。ローマはジェコの折り返しをペッレグリーニが合わせると、これがキエッリーニの足に当たって跳ね上がったことでラビオの右手に当たり PK を獲得。ベレトゥがゴール左下に決めて1点を先制する。
ユベントスは33分に右サイドに開いたロナウドのクロスにラムジーが飛び込むも、シュートは枠のわずかに右。それでもユベントスはロナウドが43分に左サイドから仕掛けてペッレグリーニのハンドを誘発して得た PK を自らゴール右下に決めて同点に追い付く。
すると、ローマは46分にジェコのロングフィードに反応したムヒタリアンが抜け出しに成功する。追い付いたムヒタリアンが折り返すと最後は走り込んだベレトゥが左足で決め、ローマが 2-1 と勝ち越した状態で前半を終える。
状況を打開したいユベントスだったが、ローマのハイプレスを回避できず厳しい時間帯が続く。
ユベントスは57分にラムジーのフィードに反応したモラタはシュートを打てなかったものの、こぼれ球をロナウドがボレー。しかし、シュートはミランテの正面でチャンスを逸してしまう。すると62分にはラビオが2枚目のイエローで退場と1人少なくなってしまう。
付け込みたいローマだったが、64分にサントンからの折り返しを受けたジェコのシュートはシュチェスニーの正面。56分にスピナッツォーラからのクロスで得た決定機も逸していたローマのエースの不振にユベントスは救われることになる。
69分にダニーロが右サイドからハイクロスを入れると、中央で高さ勝負を制したロナウドがヘディングシュートを決めてユベントスは同点に追い付くことに成功する。
1人少ないユベントスに勝ちたいローマだったが、ゴール前を固めるユベントス守備陣を崩して決定機を作るまでには至らず。対するユベントスも攻撃に人数を費やせずに相手 GK ミランテを脅かせないままでタイムアップ。試合は 2-2 の引き分けに終わった。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 7.0
ムヒタリアンの先制機とジェコの2度の勝ち越し機をストップ。チームが勝点1を持ち帰るために極めて大きな貢献を果たした。素晴らしい仕事ぶりだった。
DF: ダニーロ 6.0
同点ゴールのお膳立てをしたことは評価されるだろう。だが、肝心の守備はどうだろう。スピナッツォーラに振り回されるばかりだった。ただ、隣の DF が散々な内容だっただけに評価は相対的に高くなった。
DF: ボヌッチ 5.0
ボールが足元にある時は世界最高の DF という評価が全くもって正しい。12分にムヒタリアンが手にした決定機での守備はプリマベーラよりも酷かった。過去の栄光で守れるなら苦労はしない。
DF: キエッリーニ 5.5
ジェコとのバトルを繰り広げたが、カバー範囲や対人守備能力の衰えは隠し切るのが難しくなっている。配球に長けたタイプではなく、持ち味は消されていた。
WB: クルゼフスキ 6.0
ベストは尽くしていたが、WB の適性は少ないことが示された。スピナッツォーラを守勢に回すための起用だったのだろう。ただ、相手の方が1枚上手で劣勢となり、前節と同じ2列目を主戦場となった残り30分弱は躍動できたことが評価のポイント。
MF: ラビオ 4.5
ペッレグリーニを始めとするローマの中盤・前線に牽制されて中盤での働きを制限されて輝くことはできず。62分には自身のボールロストからムヒタリアンを倒して退場となった場面で今日の出来を集約したプレーだった。
MF: マッケニー 5.0
フィジカル勝負に不安のないローマを相手に自らの長所を示すことはできず。ハイプレスを受ける状況ではボールを呼び込むこともできずセリエAの洗礼を受けることになった。
MF: ラムジー 6.0
実質的なトップ下として2トップをサポート。また、ビルドアップのサポートに入るなど中盤 MF に求められる役割を忠実かつ堅実に遂行していた。
WB: クアドラード 5.5
慣れない左 WB で奮闘はしたものの、身体の使い方やドリブルのコースなどでぎこちなさが残った試合だった。選手は最善を尽くしたと言えるだろう。だが、クルゼフスキと同様に適性ポジションでの起用ではなかった。
FW: モラタ 6.0
ぶっつけ本番だったが、9番としてポストプレーや DF ライン裏への抜け出しで持ち味を発揮。フィニッシュの場面で決定力を発揮できれば、居場所は自然に出来上がることだろう。
FW: クリスティアーノ・ロナウド 7.5
チームが劣勢の状況を2得点を記録し、勝点1を持ち帰るための大仕事を成し遂げる。得点はどちらもロナウドの個の能力であり、マン・オブ・ザ・マッチに選出されるべきパフォーマンスだった。
【交代選手など】
FW: ドウグラス・コスタ 6.0
58分にモラタとの交代で出場し、クルゼフスキが担っていた右 WB を引き継ぐ。スピナッツォーラのカットインを牽制し、ロングカウンターでボールを持ち上がるなど期待された役割を忠実に行っていた。
MF: アルトゥール 6.5
マッケニーに代わり58分から出場。ローマのハイプレスを苦にすることなく、持ち前のテクニックに加えて戦う姿勢も見せる。先発した両選手の内容が悪かっただけに好印象を残した。
MF: ベンタンクール 6.0
ラムジーとの交代で68分から出場機会を得る。レジスタとして主にプレーし、アルトゥールと息の合った連携で中盤にリズムをもたらす。前へのプレッシング能力も示せており、上々のパフォーマンスだった。
WB: フラボッタ ー
クルゼフスキとの交代で85分から出場。試合が膠着していたため、投入によって局面が大きく変わることはなかった。
ピルロ監督 6.0
ミラーゲームに向けた準備はしていたのだろうがデュエルで劣勢を強いられたことで防戦一方となり、ハーフタイムでの修正もままならなかった。ローマの決定力不足に救われた部分もあったが、10人になった後にパスが回り出し、同点に追い付いて勝点1を持ち帰れたことが収穫。
ディ・ベッロ主審 6.5
PK の判定はどちらも妥当であり、前半にジェコが抜け出した際にキエッリーニと縺れて転倒した際のジャッジも正確だった。熱くなる状況の試合で冷静に判定することができていた。