『トゥット・スポルト』によりますと、負傷から復帰したベルナルデスキ選手が(戦術的にサイドバックの役割も担う)左 WB へのコンバートを見据えた調整を行っているとのことです。生き残りが賭かっていると言えるでしょう。

コンバートの話が地元メディアでも報じられるようになった最大の理由は「ベルナルデスキ選手がポジションがないから」でしょう。ピルロ監督が率いる 2020/21 シーズンは下図の選手配置が基本です。

- クルゼフスキの方が(攻撃面での)序列は上
- 2トップの1人はロナウドの指定席
- 残り1枠をディバラ、クルゼフスキ、モラタが争う
- トップ下はラムジー
- ピルロ監督はベルナルデスキをトップ下とは見ていない
- ディバラ、クルゼフスキ、アルトゥールがプレー可能
- 右 WB はキエーザが第1候補
- 中央が適切なポジションではなかったのはフィオレンティーナ時代に証明済み
結論と言うと、今のユベントスでは「左 WB しかベルナルデスキ選手を起用できるポジションがない」のです。だから、出場できる可能性が最も高い『左 WB』に取り組んでいるのでしょう。
ただ、このコンバートは簡単ではありません。なぜなら、現行のシステムでは「左 WB は守備時に(4バックを形成する)左 SB としてプレーすること」が前提だからです。
ベルナルデスキ選手はフィオレンティーナ時代に WB の経験がありますが、あくまでも WB としての経験です。サイドバックは(クアドラード選手と同じ)素人同然からのスタートですから、「かなりのハードワークが必須」と言わざるを得ないでしょう。
また、左 WB には現在は負傷離脱中のA・サンドロ選手がいます。両選手ともに「サイドの守備的選手としては高給取り」であるため、今季終了後に貢献度の低かった方が退団に向けたチームからの風当たりが強くなるはずです。
マンチェスター・シティのジンチェンコ選手のようにサイドバックとして新境地を開くことができれば、ベルナルデスキ選手がユベントスで生き残る可能性は上昇します。それができるのかに注目です。