サウジアラビアの首都リヤドで行われた 2019 コカコーラ・スーペルコッパはL・アルベルト選手のゴールなどで3点を取ったラツィオが 1-3 で勝利しました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Juventus [4-3-1-2] |
SS Lazio [3-5-2] |
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GK | 1: シュチェスニー | 1: ストラコシャ |
DF | 2: デ・シリオ 28: デミアル 19: ボヌッチ 12: アレックス・サンドロ |
3: L・フェリペ 33: アチェルビ 26: ラドゥ |
MF | 30: ベンタンクール 5: ピアニッチ 14: マテュイディ 10: ディバラ |
29: ラッザリ 21: ミリンコビッチ 6: L・レイバ 10: L・アルベルト 19: ルリッチ |
FW | 21: イグアイン 7: ロナウド |
17: インモービレ 11: J・コレア |
ユベントスのサッリ監督は 4-3-1-2 を選択。コンディションが懸念されたシュチェスニー選手とA・サンドロ選手はどちらも先発に復帰。右 SB にはデ・シリオ選手が入り、前線は “トリデンテ” が全員先発する布陣で試合に臨みます。
対するラツィオのインザーギ監督は 3-5-2 を選択。こちらはセリエA第15節で対戦した時と全く同じイレブンが先発する陣容で試合を迎えます。
試合はラツィオのL・アルベルトが躍動する。8分にインモービレからの横パスを受けたL・アルベルトが中に持ち込んでシュートを放つも、これは枠の上へと外れる。
しかし、16分にラツィオはルリッチがデ・シリオを振り切ってクロスを上げ、ファーサイドでミリンコビッチが折り返す。これを走り込んだL・アルベルトが押し込み、ラツィオが1点を先制する。
ビハインドを背負ったユベントスは22分にピアニッチのロングフィードをイグアインが落としてロナウドが狙うが、シュートは枠の右。29分にはゴール正面で得た FK をディバラが狙うも、これは枠のわずかに左へと外れる。
一方のラツィオは抜け出しに成功したJ・コレアのシュートが枠を捉えるも、シュチェスニーが好セーブでゴールを死守。
このまま前半終了かと思われた45分にユベントスはピアニッチのボール奪取から最後はロナウドが左足でシュート。これは GK ストラコシャがストップしたが、こぼれ球をディバラが押し込み、ユベントスが 1-1 の同点に追い付いて前半を折り返す。
後半はユベントスが高い位置から仕掛け、ラツィオがカウンターで攻め切る展開で時間が経過する。
試合が動いたのは73分。ラツィオは右サイドのラッザリがクロスを入れるとニアに入ったパローロがフリック。これがファーで待つルリッチに絶好のラストパスとなり、フリーのルリッチが右足でボレーシュートを決めてラツィオが勝ち越しに成功する。
ユベントスは選手交代を使って攻勢をさらに強めるが、高さ勝負ができる選手がロナウドだけとなり、ゴール前にバスを停めるラツィオの守備陣の前に沈黙してしまう。
それでも90分にディバラの FK からボヌッチが狙うも、シュートは枠のわずかに右。91分の FK はディバラが壁に当ててしまい、カウンターを受けるとJ・コレアが決定的なシュート。これはシュチェスニーが止めたが、こぼれ球に詰めたパローロを倒したベンタンクールが退場。
このプレーで得た FK をカタルディがゴール右上に決め、ラツィオが3点目を奪取するとともに試合は終了。試合は 1-3 でラツィオが勝利し、スーペルコッパのタイトルを獲得した。
試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.0
失点は GK の個人能力で防げるものではなかったため、批判されるのは酷と言わざるを得ない。抜け出しに成功したJ・コレアの決定的なシュートをストップしており、内容は悪くはなかった。
DF: デ・シリオ 5.0
不可解な人選。2017年のスーペルコッパと同様にラツィオの左 WB に振り切られ、今回も失点の大きな原因になってしまった。
DF: デミラル 6.0
持ち前のパワーとスピードでラツィオの2トップに1人で対抗。ハイラインを敷くなら、絶対に欠かすことができない戦力であることを証明した。
DF: ボヌッチ 5.5
失点の決定的な場面には絡まなかったが、スピードのない弱みを見抜かれて前後に攻撃のポイントを作られてしまう。ラツィオのように “割り切ったチーム” との対戦ではこの内容が限界だろう。
DF: アレックス・サンドロ 5.5
アーリークロスの供給源を作られてしまったが、これは守備戦術による影響が考えられるため、責任を問うことは酷と言えるだろう。だが、攻守に存在感がなかったことは事実だ。
MF: ベンタンクール 5.5
対面したL・アルベルトやルリッチのプレスをテクニックで回避し、ボールを前進させるアクセントを加える。攻撃面で大きな存在感を発揮したが、それはL・アルベルトも同じこと。守備での仕事も期待されるだけにマイナス評価とせざるを得ない。
MF: ピアニッチ 5.5
リーグ戦での対戦時よりはボールを持てたが、そこから縦に展開することはできず。サイドも攻撃力に劣るデ・シリオで不完全燃焼となってしまった。
MF: マテュイディ 5.0
ラッザリやミリンコビッチ=サビッチに効果的な攻撃参加を許す。試合から消える時間が多く、存在感が薄かった。
MF: ディバラ 6.5
ロナウドのシュートのこぼれ球を押し込み、一時は試合を振り出しに戻す仕事を果たす。エリア内への侵入や積極的な仕掛けで FK を獲得するなど戦い続けた。
FW: イグアイン 5.0
ピッチ上を彷徨い続けた幽霊。ボールを引き出すことは少なく、ポストプレーや守備での献身性を示さない FW が庇護下にあるのは異様だ。
FW: クリスティアーノ・ロナウド 6.0
左サイドのタッチライン際にも顔を出し、中央への侵入からシュートを得点を感じさせるなど存在感を発揮していた。
【交代選手など】
DF: クアドラード 6.0
55分にデ・シリオとの交代で出場する。攻撃の厚みを上乗せすることには貢献したが、得点にまでは結びつかず。できる仕事は限られている状況だった。
MF: ラムジー 5.5
イグアインに代わり、66分から出場機会を得る。トップ下の位置でボールを呼び込んで前進しようとするものの、ゴール前を固めるラツィオ守備陣の前に決定機を作り出すまでには至らず。最後の局面では沈黙を強いられた。
FW: ドウグラス・コスタ 5.5
76分にマテュイディに代わって出場。持ち前に鋭さを活かそうとするがシュートコースはなく、右サイドからのクロス供給に留まる。だが、中央での空中戦要員が不在で無意味な攻撃と化してしまった。
サッリ監督 5.0
事前に予想されたラツィオのスタイルに屈する結果となった。リーグ戦での反省を活かした内容になっていたとは言い難く、敗戦の大きな責任を監督が背負わざるを得ないだろう。マンジュキッチのような FW が不在の中でクロスによる空中戦を敢行した玉砕戦術は失笑物だった。
カルバレーゼ主審 5.5
一発勝負の決勝戦で累積警告を気にしない選手たちがラフプレーの傾向を強める中で上手く試合を落ち着かせることができなかった。審判団の判定力は高かっただけに、評価を高め損なった試合となってしまった。