オリンピコで行われた 2019/20 セリエA第15節ラツィオ戦はロナウド選手のゴールでユベントスが先制するも、守備陣が3失点を許し、試合は 3-1 で敗れました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
SS Lazio [3-5-2] |
Juventus [4-3-1-2] |
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GK | 1: ストラコシャ | 1: シュチェスニー |
DF | 3: L・フェリペ 33: アチェルビ 26: ラドゥ |
16: クアドラード 19: ボヌッチ 4: デ・リフト 12: アレックス・サンドロ |
MF | 29: ラッザリ 21: ミリンコビッチ 6: L・レイバ 10: L・アルベルト 19: ルリッチ |
30: ベンタンクール 5: ピアニッチ 14: マテュイディ 33: ベルナルデスキ |
FW | 17: インモービレ 11: J・コレア |
10: ディバラ 7: ロナウド |
ラツィオのインザーギ監督は 3-5-2 を選択。インモービレ選手とJ・コレア選手が2トップを組み、L・アルベルト選手が中盤からサポートする陣容で試合を迎えます。
対するユベントスのサッリ監督は 4-3-1-2 を選択。予想された現状でのベストメンバーが先発に名を連ね、ディバラ選手とロナウド選手が2トップを組む布陣で試合に臨みます。
最初にチャンスを掴んだのはラツィオ。5分にミリンコビッチ=サビッチのスルーパスに反応したインモービレが勢いを保ったままシュートにまで持ち込むが、これはボヌッチがブロック。
対するユベントスは10分に中央での細かいパス交換から最後は右サイドで余っていたディバラがファーポストを狙った枠内シュートを放つも、これはストラコシャが横っ飛びセーブで防ぐ。
均衡が破れたのは25分。ユベントスはディバラの縦パスを受けたロナウドが右サイドに展開。これをベンタンクールが中央に折り返すと走り込んだロナウドが押し込み、ユベントスが先制する。
ラツィオは30分過ぎから攻勢を強めると、46分に左 CK をショートコーナーで再開するとL・アルベルトが入れたクロスにフェリペが頭で合わせ、同点に追い付くことに成功。前半を 1-1 で折り返すことになる。
後半は49分にL・アルベルトのミドルシュートが枠を捉えるも、これはシュチェスニーの正面。すると、この後は両チームの最終ラインが奮闘し、決定機を作れないまま時間が経過する。
次に決定機を得たのは66分のユベントス。ストラコシャからアチェルビへのパスがディバラに渡ってしまい、ディバラのシュートが枠を捉える。しかし、これはストラコシャが責任を持ってストップし、スコアは動かない。
すると、ユベントスは69分に CK からラツィオにカウンターを許し、抜け出そうとしたラッザリをクアドラードが倒してしまう。このプレーが VAR でレッドカードとなり、クアドラードが退場したユベントスは1人少ない状態でのプレーを強いられる。
勢いが出たラツィオは74分にL・アルベルトのクロスミリンコビッチ=サビッチがデ・リフトの背後からペナルティーエリア内に侵入し、トラップから左足シュートを決め、逆転に成功する。
ラツィオは77分に抜け出したJ・コレアがシュチェスニーに倒されて PK を得るが、インモービレが狙った PK はシュチェスニーがストップ。ユベントスは1点差で食らいついていたが、95分にカウンターから最後はカイセドに決められて終戦。試合は 3-1 でラツィオに軍配が上がった。
試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 7.0
PK ストップに決定機の阻止と GK として孤軍奮闘した。3失点は喫したものの、GK が責められる要素は皆無と言える内容だった。
DF: クアドラード 5.0
攻守に奮闘していたが、69分に落とし穴にはまる形となってしまった。一発退場なだけに 1〜2 試合の出場停止処分は痛手となるだろう。
DF: ボヌッチ 5.5
ベンタンクールのフィルターが失われると、守備の脆さが如実に現れる。後半はインモービレとJ・コレアのスピードに対して後手に回り続け、得意のパス能力を見せることもなかった。
DF: デ・リフト 5.0
奮闘はしていたが、周囲が見えていなかった。ミリンコビッチ=サビッチに許した逆転ゴールの場面はその代表例と言えるだろう。確変は終わってしまったようだ。
DF: アレックス・サンドロ 6.0
ラッザリに粘り強く対応はしていたが、五分五分という出来だった。互いに攻撃で先手を取る形となっており、守備の組織力を勝敗の分かれ目になっていた。
MF: ベンタンクール 6.5
中盤での攻守に顔を出し、両方で良いアクセントを与える。接触プレーで傷んだことで途中交代を余儀なくされたが、その後に守備陣が崩壊したことを踏まえると貢献度の高さを窺い知ることができる。
MF: ピアニッチ 5.0
ボールを引き出す余裕はあったが、前方への展開ができなかった。ボトルネックとなった上に相手のプレスでボールロストをしてしまうなど、本調子とは言えない内容だった。
MF: マテュイディ 5.5
対面したミリンコビッチ=サビッチの監視をしていたが、自陣内への侵入を許した後はフリーパスの状態だった。力負けと評価せざるを得ないだろう。
MF: ベルナルデスキ 5.5
ダミーの動きを献身的に行うなど貢献度は高かった。それだけに決定機に関わる頻度をどれだけ増やせるかが今後の課題となる。
FW: ディバラ 6.0
ボールを引き出し、ターンやドリブルでラツィオの守備網を突破。局面を有利な展開にする仕事を続ける。それだけに66分に訪れた決定機は決め切って欲しかった。
FW: ロナウド 6.5
ワンタッチの意識を強め、偽9番として前線の両サイドにも顔を出す。先制点の場面は理想形と言える状態だった。
【交代選手など】
MF: エムレ・ジャン 5.0
40分にベンタンクールとの交代で出場。予想外の投入であることは前半のパフォーマンスが散々だったことが示していた。上手く試合に入れていなかったが、後半は持ち前の馬力を徐々に示していたことが収穫。
DF: ダニーロ 5.5
一発退場となったクアドラードの穴埋めのためにベルナルデスキとの交代で61分から出場する。L・アルベルトへのプレスが甘く、絶妙のアシストを許してしまう。試合終了間際の精度の低い左足シュートも大きな減点対象となった。
FW: イグアイン ー
ディバラに代わり、80分から出場機会を得る。決定的な仕事を期待されたが、ほぼボールに触るず。何も仕事をしないまま、試合終了のホイッスルをピッチ上で聞くことになった。
サッリ監督 5.0
予想外の出来事(= ベンタンクールの負傷交代)が発生した際のプランBを持ち合わせていないことが浮き彫りとなった。相手を押し込んだハーフコートゲームができていなかったにも関わらず、攻撃重視でカウンターから2失点を許したことは大きな反省点だ。インテルに大きく引き離されなかったことが唯一の救いと言えるだろう。
ファッブリ主審 5.0
異様なほどにファールを取らないという判定基準だった。そのため、試合のコントロールができているとは言い難いレベルであり、審判団の力量不足がかなり如実に示された試合になってしまった。