2019/20 セリエA第34節ラツィオ戦はロナウド選手の2ゴールを守り切ったユベントスが 2-1 でラツィオを下し、スクデットを手中に収める結果となりました。
試合に先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Juventus [4-3-3] |
SS Lazio [3-5-1-1] |
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GK | 1: シュチェスニー | 1: ストラコシャ |
DF | 16: クアドラード 4: デ・リフト 19: ボヌッチ 12: アレックス・サンドロ |
15: バストス 3: ルイス・フェリペ 33: アチェルビ |
MF | 8: ラムジー 30: ベンタンクール 25: ラビオ |
29: ラッザリ 21: ミリンコビッチ 32: カタルディ 16: パローロ 8: アンダーソン |
FW | 11: ドウグラス・コスタ 10: ディバラ 7: ロナウド |
17: インモービレ 20: カイセド |
ユベントスのサッリ監督は 4-3-3 を選択。ベンタンクール選手をレジスタに配置し、ラムジー選手を中断後初の先発起用。試合直前にディバラ選手をイグアイン選手に代えて急遽先発させるドタバタの中で試合に臨みます。
対するラツィオのインザーギ監督は 3-5-1-1 を選択。こちらは負傷で起用できる選手が限られているため、予想された選手がスタメンに名を連ねて試合を迎えます。
試合は両チームともに慎重な入りを見せる。ユベントスは11分にディバラの FK がクリアされたところをデ・リフトが頭で折り返し、これをA・サンドロが中でヘディングシュート。しかし、右ポストに嫌われて先制とはならず。
35分にはスルーパスに抜け出したラビオがシュートにまで持ち込むが、ニア上を狙ったシュートはストラコシャが CK に逃れる。この CK をロナウドが頭で合わせたがシュートは枠の右。
なかなかシュートにまで持ち込めなかったラツィオは43分にベンタンクールのクリアがパローロに当たってインモービレの足元へ。この決定機を活かしてインモービレがミドルシュートを放つが、こちらは左ポストに嫌われてゴールとはならず。
前半は 0-0 で折り返すことになる。
後半は立ち上がりからユベントスが押し込む。46分にディバラが個人技で持ち込んでシュートもストラコシャがブロック。こぼれ球を押し込む形になったロナウドだが、ラッザリのクリアが間に合って均衡を破ることはできない。
それでも直後の47分にロナウドが強烈な左足シュートを放つと、シュートブロックに入ったバストスの左手に当たったと VAR で判定され、ユベントスが PK を獲得。これをロナウドがゴール右下に蹴り込んでユベントスが先制する。
先手を取ったユベントスは54分にロナウドとディバラのプレスでL・フェリペからボール奪取に成功するとそのままショートカウンターを発動。ディバラからのラストパスを受けたロナウドが左足で難なく押し込み、ユベントスのリードは2点に広がる。
トリプレッタを狙うロナウドは62分に左 CK からのヘディング、66分に左サイドのディバラからの折り返しのヘディングと2度の決定機があったが、どちらもゴールとはならない。
劣勢のラツィオは試合終盤の82分に左サイドからの高い弾道のクロスを最後まで追いかけたインモービレが入れ替わったボヌッチに背後から倒されて PK を獲得。これを自らゴール左下に決めて一矢報いることに成功する。
ただし、ラツィオの反撃もここまで。試合は 2-1 で終了し、辛くも勝利したユベントスが勝点3を獲得してスクデットを大きく手繰り寄せる結果となった。
試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.0
サッスオーロ戦と比較すると仕事量の少ない試合だった。PK 以外の枠内シュートはストップしており、良い内容だった。
DF: クアドラード 6.5
右 SB で手堅い守備を見せ、ダニーロ投入後の残り30分は1列前のポジションでプレー。柔軟性を示してチームの勝利に貢献した。
DF: デ・リフト 6.0
ラツィオの2トップの動きが鈍く、右肩に抱えるフィジカル的な問題を狙い撃ちにされずに済んだ。ラッキーな試合展開だったと言えるだろう。
DF: ボヌッチ 5.0
33歳のベテランに夏の連戦は厳しいようだ。先にボールの落下点に入っていながら、インモービレを倒して PK を献上するのだから擁護はできない。サッスオーロ戦の余計な抗議でもらったカードと合わせて次戦は出場停止なのもマイナス。
DF: アレックス・サンドロ 6.0
前半の30分過ぎまでは良かったが、徐々に動きが重くなり最後は完全にガス欠だった。ただ、対面したラッザリが交代するまでは粘り切ったのだから及第点に値する。
MF: ラムジー 5.5
ライン間でのポジションや DF の裏への走り出しなど守備側にとって掴みにくいポジショニングを継続。ただ、パスワークの中継点にはなるものの、攻撃への変化が起きる起点にはならなかった。
MF: ベンタンクール 6.0
持ち前の守備力を両インサイドハーフにボールを預けてリズムを作り出す役割を果たす。レジスタとしての起用頻度が少なかったことを踏まえると、上々の内容と言えるだろう。
MF: ラビオ 7.0
ロナウドが空けたスペースに抜け出してシュートにまで持ち込むなど、期待された仕事を攻守において遂行している。ベンタンクールとの連携も成熟が進んでおり、主力としての躍動が期待できる選手。疲労だけが懸念点。
FW: ドウグラス・コスタ 6.0
急加速を活かしたドリブル突破はラツィオ守備陣に効くことを証明。ただ、突破を活かして決定機を演出するという仕事まではできず。序列を変化させるまでには至らなかった。
FW: ディバラ 7.0
急遽先発出場となったが、好調な状態であるプレーを連発。柔らかいボールタッチで自ら決定機を作り出し、ロナウドの2点目をお膳立てするなど存在感を発揮した。
FW: クリスティアーノ・ロナウド 7.5
前半は決定機は1度だったが、後半は2得点と結果を残す。トリプレッタを狙って貪欲な姿勢を示し、周囲もそれに応じて決定機を演出した。3点目を逸してしまったことが唯一の反省点だろう。
【交代選手など】
MF: マテュイディ 6.0
57分にラムジーとの交代で出場する。左サイドをカバーし、62分には抜け出しからシュートにまで持ち込むもゴールとはならず。それでも献身的に汗をかき続けた。
DF: ダニーロ 5.5
D・コスタとの交代で57分から出場し、右 SB のポジションに入る。ただ、試合には上手く入れずにクアドラードよりも守備に難ありとの状況だった。期待に見合った内容とは言い難い。
DF: ルガーニ ー
88分にディバラとの交代で出場機会を得る。3バックの左ストッパーとしてラツィオのロングボール攻撃に対処した。
サッリ監督 6.0
スクデットを確定させたが、監督としての底が見えた試合だった。「3バックでの守り方は知らない」と全否定しておきながら、1点差に詰め寄られるとパニックになってルガーニを投入した。結果を出すことに躍起になっているようでは監督交代が失敗だったことを証明しているに等しい。
オルサート主審 6.5
シーズン前半戦での対戦よりも肉弾戦になる可能性が高い試合だったが上手くコントロールした。両チームの PK はどちらも妥当な判定であり、不満は出ないだろう。良い判定基準に基づいて試合を裁いていた。