ローマで行われた 2020/21 セリエA第7節ラツィオ戦はロナウド選手のゴールでユベントスが先制するも、後半アディショナルタイムにカイセド選手のゴールで追い付かれ、試合は 1-1 で引き分けました。

先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。

SS Lazio [3-5-2] |
Juventus [4-4-2] |
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GK | 25: レイナ | 1: シュチェスニー |
DF | 3: ルイス・フェリペ 33: アチェルビ 26: ラドゥ |
16: クアドラード 28: デミラル 19: ボヌッチ ![]() 13: ダニーロ |
MF | 77: マルシッチ 21: ミリンコビッチ ![]() 32: カタルディ 10: ルイス・アルベルト 96: ファレス |
44: クルゼフスキ 30: ベンタンクール 25: ラビオ 38: フラボッタ |
FW | 94: ムリキ 11: ホアキン・コレア |
9: モラタ 7: ロナウド |
ラツィオのインザーギ監督は 3-5-1-1 を選択。J・コレア選手と新加入のムリキ選手が2トップを組み、中盤からミリンコビッチ=サビッチ選手とL・アルベルト選手がサポートするお馴染みの布陣で試合を迎えます。
対するユベントスのピルロ監督は 4-4-2 を選択。フェレンツバーロシュ戦からは3選手を入れ替え、ベンタンクール選手が中盤で復帰。両翼はクルゼフスキ選手とフラボッタ選手が先発する陣容で試合に臨みます。
試合は開始2分にラツィオが左サイドのファレスが入れたクロスにムリキが飛び込むも、合わせる寸前にデミラルが跳ね返す展開で幕が上がる。
先制に成功したのはアウェイのユベントス。15分にクアドラードが右サイドを個人技で突破して持ち上がり、ボールを引き取ったベンタンクールが裏抜けを狙うクアドラードにスルーパス。クアドラードからの折り返しを中央で待ち構えていたロナウドが合わせてユベントスが先制する。
対するラツィオは31分にL・アルベルトからのパスを受けたJ・コレアが細かいタッチでシュートコースを作り出して自ら狙うが、シュチェスニーが正面でキャッチ。
ユベントスは43分にターンで相手と入れ替わったモラタがドリブルで持ち上がり、クルゼフスキを経由してロナウドがカットインからシュート。しかし、右ポストと叩いてゴールとはならず。ロナウドは47分に直接 FK を枠に飛ばしたが、これはレイナが好セーブでゴールを死守。
前半は 0-1 とユベントスが1点のリードで折り返す。
後半は立ち上がりから両チームが積極的にシュート放ち、得点への意欲を見せる。先に惜しいチャンスを作ったのはユベントス。58分にボール奪取したラビオがモラタに預け、リターンから強烈な枠内シュート。しかし、レイナに好セーブで防がれてしまう。
65分にはクルゼフスキのドリブル突破からロナウドに決定的なスルーパスが通るも、シュートを打つ寸前にL・フェリペのタックルが間に合い、追加点を奪うことはできない。
対するラツィオは69分にJ・コレアが個人技でのカットインから決定機を手にするが、ボヌッチが身体に当ててブロック。81分にはラッザリからのクロスにA・ペレイラが頭で合わせるも、シュートはシュチェスニーの正面。
このまま試合終了かと思われた95分にラツィオはJ・コレアが左サイドの仕掛けから突破するとカイセドにボールが渡る。反時計回りのターンでボヌッチのマークを外したカイセドの右足シュートが決まり、土壇場でラツィオが 1-1 の同点に追い付き試合は終了。
ユベントスは最後の最後で勝点3を取りこぼし、11月の国際Aマッチデーを迎えることになった。
試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.0
適切なポジショニングと足下の技術でチームに貢献。ただ、最後のカイセドのシュートを止めるチャンスはなかった。
DF: クアドラード 6.5
守備では対面したラツィオの左 WB に満足な仕事をさせず、攻撃ではサイドライン際やハーフスペースでボールを呼び込んで局面を打開。先制点のアシストなど持ち味を発揮した。
DF: デミラル 6.0
神出鬼没なJ・コレアに少し手を焼くも決定的な仕事は封じる。ムリキ、ミリンコビッチ=サビッチ、カイセドなどとのパワー勝負に競り勝って中央を封鎖し続けた。
DF: ボヌッチ 5.5
90分までは素晴らしいパフォーマンスだったが、アディショナルタイムでカイセドに反時計回りのターンを許して同点ゴールを決められて積み上げたものを台無しにしてしまった。
DF: ダニーロ 6.0
マルシッチに揺さぶられ続けたものの何とか持ち堪える。必要な時は中央に絞ってケアをするなど献身的なプレーを今日も継続していた。
MF: クルゼフスキ 6.0
守備時はインサイドハーフ的にスペースを消し、持ち味であるフィジカルを活かしてドリブル突破で局面を打開するなど違いを見せた。安定感があることが強みだ。
MF: ベンタンクール 6.0
レジスタとしてボールを配球し、中央で DF ライン前の盾としても奮闘した。カゼミーロのような役割に落ち着くのだろうか。
MF: ラビオ 6.5
中盤でバランスを取りつつ、ピルロ監督からの注文である前線への積極的な飛び出しやロングドリブルでチームに推進力を与える。得点を感じさせる惜しいシュートを放つなど見せ場を作った。
MF: フラボッタ 5.5
左アタッキングハーフに抜擢され、ラツィオの右 WB の攻撃参加を妨害する役割を遂行。守備面に関しては十分に合格点だが、攻撃への貢献度はほとんどなかった。
FW: モラタ 6.5
背負った相手をターンで入れ替わったり、ドリブル突破で局面を打開するなど精度の高いポストプレーで前線に違いを生み出し続ける。ゴールやアシストがなかったことが悔やまれるし、自ら交代を要求したことも気がかりだ。
FW: クリスティアーノ・ロナウド 6.5
中央で待ち構えて先制点を奪取。前半アディショナルタイムにも惜しい FK があった。ただ、前半の出来を踏まえると後半はガス欠気味で自らはダミーになった方がチームは勝利に近づいたかもしれない。
【交代選手など】
FW: ディバラ 5.5
76分にロナウドに代わり出場する。ゴールに近い最前線でプレーできるポジションに入ったが、右サイドライン際でボールを呼び込むリンクマンに終始してしまい最大の持ち味を見せることはできなかった。
MF: マッケニー 6.0
クルゼフスキとの交代で76分から出場。役割をほぼそのまま引き継ぎ、献身的なプレッシングとフリーランニングを遂行した。
MF: ベルナルデスキ ー
89分にモラタに代わり出場機会を得る。最前線でチェーシングを見せたが、これと言った見せ場は訪れなかった。
ピルロ監督 6.0
前半は良い内容で折り返したが、ハーフタイムを挟んで迎えた後半にチームを采配でアップデートすることはできなかった。苦しめられていたJ・コレアのサイドからの仕掛けを対処できなかったツケを最後に払うことになったのが現状を如実に示していると言えるだろう。
マッサ主審 6.5
注目のビッグマッチだったが、親善試合のように上手くコントロール。ミリンコビッチ=サビッチの FK が壁に入ったラビオの手に当たったとの抗議があったぐらいで揉める場面は記憶に残らない試合だった。良い審判員だった。