雨の中で行われた 2019/20 UEFA チャンピオンズリーグ第4節ロコモティフ・モスクワ戦は後半アディショナルタイムにＤ・コスタ選手の勝ち越しゴールが決まり、ユベントスが 1-2 で勝利しました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
| Lokomotiv [4-2-3-1] |
Juventus [4-3-1-2] |
|
|---|---|---|
| GK | 1: ギリェルメ | 1: シュチェスニー |
| DF | 20: イグナティエフ 5: ヘーベデス 14: チョルルカ  31: リブス |
13: ダニーロ 19: ボヌッチ 24: ルガーニ 12: アレックス・サンドロ |
| MF | 6: バリノフ 7: クリホビアク 17: ジェマレトジノフ 59: ミランチュク 23: ジョアン・マリオ |
6: ケディラ 5: ピアニッチ 25: ラビオ 8: ラムジー |
| FW | 19: エデル | 21: イグアイン 7: ロナウド |
ロコモティフのショミン監督は 4-2-3-1 を選択。エデル選手を1トップに置き、2列目にはミランチュク選手やＪ・マリオ選手を配置する布陣で試合を迎えます。
対するユベントスのサッリ監督は 4-3-1-2 を選択。先週末に行われたセリエＡのトリノ戦から連続で先発となったのはシュチェスニー、ボヌッチ、ピアニッチ、ロナウドの4選手だけという珍しい状態で試合に臨みます。
試合は立ち上がりから動く。ユベントスは左サイドで獲得した FK をロナウドが無回転シュートで狙うと、これを GK ギリェルメがまさかのファンブル。ゴール前に詰めていたラムジーが押し込み、ユベントスが先制に成功する。
対するロコモティフは12分にクリホビアクの縦パスをＪ・マリオがリブスに落とす。左サイドからリブスがクロスを入れると、ミランチェクが頭で合わせる。このシュートはファーポストに嫌われたが、跳ね返りをミランチェクが自ら押し込み、同点に追い付く。
ロコモティフは20分に CK の流れからジェマレトジノフのクロスにミランチュクが再びヘディングで狙うも、これは枠の上へと外れてしまう。
ユベントスは33分にケディラのロングフィードに反応したイグアインのダイレクトボレーが枠を捉えたが、GK ギリェルメが汚名返上の好セーブで CK に逃れる。イグアインは35分にラムジーの縦パスから枠内シュートを放つも、今後はパンチングで防がれて勝ち越しとはならず。
前半は 1-1 で折り返すこととなる。
後半先に決定機を手にしたのはユベントス。48分にロナウドが FK から再び無回転シュートで狙うも、今度は GK ギリェルメが好セーブ。ロナウドは56分にも左サイドからのパスを受けて強烈な枠内シュートを放つが、これは横っ飛びセーブで防がれてしまう。
対するロコモティフはミランチュクが61分と67分にシュートを放つも、どちらもシュチェスニーにキャッチされてしまい、勝ち越すことはできず。
しかし、78分にミランチュクの展開から最後はＪ・マリオがシュート。ゴール前にシュチェスニーがいなかったが、ボヌッチがライン上でクリアし、ユベントスは何を逃れる。
同点で終わるかと思われた93分に試合は動く。ユベントスはＤ・コスタが左サイドのタッチライン際でボールを受けると、中にドリブルを開始。イグアインとのワンツーで中央にまで侵入すると最後は GK ギリェルメの股下を抜き、ユベントスはＤ・コスタのゴールで土壇場で勝ち越しに成功する。
結局、試合はこのまま終了。Ｄ・コスタ選手の勝ち越しゴールでユベントスが 1-2 で勝利した。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.0
失点は防げるものではなく、防げるシュートは止めていた。期待された仕事は十分にしていたと言えるだろう。
DF: ダニーロ 5.0
最終ラインでバランスを取る役割を担うも、攻撃面では全体を押し上げたり、幅をもたらしたりすることはできなかった。得意とする部分で結果を残せなかったことがマイナス。
DF: ボヌッチ 6.0
エデルとの空中戦は常に劣勢で良いパフォーマンスとは言えないレベルだった。78分にＪ・マリオのシュートをライン上でクリアに成功したことで何とか体裁を保つことに成功した。
DF: ルガーニ 5.5
トップ下で自由に動き回るミランチェクを抑えることに手を焼く。エデルを上手く封じることができていただけに好印象を残すチャンスを逸する結果になってしまった。
DF: アレックス・サンドロ 6.0
逆サイドのダニーロと比較すると攻守に安定した内容を見せていたが、局面を打開するなどの大きな仕事をすることはできず。可もなく不可もなくという水準だった。
MF: ケディラ 6.0
中盤でバランスを取り、イグアインに浮き球のフィードで決定機を演出するなど持ち味を発揮した。
MF: ピアニッチ 5.5
ボールを動かす役割を担っていたが、縦パスを高い位置でカットされてカウンターを招く原因にもなってしまう。展開を変えるまでには至らず、不完全燃焼と言えるだろう。
MF: ラビオ 6.0
ボールを呼び込んで左サイドから崩そうとする姿勢は良かったものの、相手のブロックを崩すことはできず。周囲との連携という点で課題が残る結果となった。
MF: ラムジー 6.0
先制点を奪取し、イグアインに縦パスを付けるなどの結果を残した。ただ、2トップとの連携が機能していたとは言い難く、淡白な攻撃を引き起こす原因にもなっていた。
FW: イグアイン 6.0
33分と35分に後方からのパスを受けて得意の形でシュートに持ち込むなど、FW として期待される仕事はしていた。ただ、決定力がなかったことが悔やまれる。
FW: クリスティアーノ・ロナウド 6.0
先制ゴールの発端となる FK を始め、重の乗った強烈な枠内シュートを複数放つなど、FW として貪欲にゴールを狙い続けた。ただ、イグアインと同様に決定力がなく、悔やまれる結果となった。
【交代選手など】
MF: ベンタンクール 6.5
64分にラムジーとの交代で出場する。球離れ良くボールを動かし、攻撃にリズムをもたらす。ボールを持つことを前提にした場合だと攻守において非常に有益な選手と言えるだろう。
FW: ドウグラス・コスタ 7.0
ケディラに代わり、70分から出場。当初はトップ下に配置されたが、攻撃で全く貢献することはできず。しかし、試合終了間際にタッチライン際からのドリブルで決勝点を奪取し、値千金の大仕事を成し遂げた。
FW: ディバラ ー
81分にロナウドとの交代で出場機会を得る。縦への動きで攻撃に変化を加えるも、決定機を作り出すまでに至らず。与えられた出場時間が短すぎた。
サッリ監督 6.0
試合序盤にラッキーパンチで先制には成功したものの、相手を実力で上回ることはできず、今節もロコモティフの堅守速攻に手を焼く。最終的に途中交代のＤ・コスタが個人技で試合を決めたことで失態をさらさずに済んだ。
ブケ主審 6.0
ロコモティフが試合開始直後から激しいプレーを見せたことで荒れる様相を呈していたが、上手く落ち着かせることに成功。審判団がクローズアップされることなく、試合を裁き切った。良い働きをしていたと言えるだろう。
