2019/20 セリエA第23節ベローナ戦はユベントスがロナウド選手のゴールで1点を先制するも、2失点を喫し、2-1 で逆転敗けとなりました。

先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。

| Hellas Verona [3-4-2-1] |
Juventus [4-3-3] |
|
|---|---|---|
| GK | 1: シルベストリ | 1: シュチェスニー |
| DF | 13: ラフマニ 21: ギュンター 24: クンブラ |
16: クアドラード 4: デ・リフト 19: ボヌッチ 12: アレックス・サンドロ |
| MF | 5: ファラオーニ 34: アムラバト 4: M・ベローゾ 88: ラゾビッチ |
30: ベンタンクール 5: ピアニッチ 25: ラビオ |
| FW | 32: ペッシーナ 16: ボリーニ 20: ザッカーニ |
11: ドウグラス・コスタ 21: イグアイン 7: ロナウド |
ベローナのユリッチ監督は 3-4-2-1 を選択。CF には今冬に加入したボリーニ選手を偽9番として起用した他は先発が予想された10名が名を連ねる陣容で試合を迎えます。
対するユベントスのサッリ監督は 4-3-3 を選択。前線はD・コスタ、イグアイン、ロナウドを起用する前節と同じイレブンで試合に臨みます。
試合はユベントスが2分にイグアインが放ったシュートでリズムを掴みかけるが、ホームのベローナが主導権を握り、波状攻撃を仕掛け、10分に右 WB のファラオーニに展開してクロスと見せかけてシュート。これはシュチェスニーが CK に逃れる。
押し込まれていたユベントスは19分にベンタンクールのボール奪取からD・コスタがロングドリブルで持ち上がってシュート。しかし、クロスバーを直撃。
対するベローナは21分に右サイドで得た FK をM・ベローゾが入れると、クンブラのヘディングシュートでネットを揺らす。だが、VAR でクンブラのポジションがオフサイドと判定され、ゴールは認められず。こちらも均衡を破ることはできない。
ユベントスはロナウドが36分に左サイドからカットインしてシュートを放つが、これは右ポストを直撃。40分と43分にも自らの身体能力を活かしてシュートを打つも、これらは枠の右へと外れてしまい、前半は 0-0 で折り返すことになる。
後半は両チームともに相手守備陣を隙を突くことで何とかシュートにまで持ち込むが、相手 GK を脅かすまでには至らない。
その中でユベントスは65分にディバラからのパスを受けたロナウドが持ち出し、ベンタンクールとのワンツーを使ってペナルティーエリアまで侵入すると、ラフマニのマークを外してゴール左下にシュートを決めて1点を先制する。
対するベローナは71分にアムラバトのクロスからパッツィーニがヘディングで狙うも、これはシュチェスニーの正面。しかし、76分にベンタンクールのクリアを弾き返すと、ピアニッチのバックパスをボリーニが奪取して冷静にシュートを決め、1-1 の同点に追い付く。
ベローナは83分に抜け出したボリーニがシュートを放つが、ボヌッチが身体に当てて CK に逃れる。この CK からクンブラが頭で合わせるも、シュートはクロスバー。
しかし、VAR でボヌッチが左手を出して防いでいたことが確認され、ベローナが土壇場で PK を獲得する。これをパッツィーニがゴール右に決め、ベローナが 2-1 と逆転に成功する。
ユベントスは同点に追い付くために前線に人数をかけるが、中央を固めるベローナの守備陣を崩すことはできず。結局、試合はこのまま 2-1 で終了。ユベントスは逆転敗けで勝点を取りこぼす結果となった。
試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.0
10分にファラオーニが放ったシュートをストップしたことを皮切りに相手のシュートは可能な限りストップした。PK はセーブ不可能なコースに蹴り込まれており、GK の責任はないだろう。
DF: クアドラード 5.5
ラゾビッチの壁を突破することはできず、最終ラインでボールは引き出すことが限界で攻撃に推進力を与えることはできなかった。守備ではデ・リフトとの隙間を突かれるなど厳しい場面が多かった。
DF: デ・リフト 5.5
2列目から飛び出してくる相手を捕まえ切れずに苦労する。2点ともにデ・リフトのサイドから相手選手に抜け出されており、守り方の課題が浮き彫りとなった。
DF: ボヌッチ 5.0
中央に陣取ることで相手のクロスを弾き返していたが、守備力低下が83分の CK の守備で露呈した。驚くことではない。セットプレー時に相手選手をマークし切れないのは昨季の時点で判明していたことなのだから。
DF: アレックス・サンドロ 5.0
大外で幅を取るファラオーニに攻守において振り回され、劣勢の立場に置かれる。全体の押し上げもできず、低調な内容だった。
MF: ベンタンクール 5.5
ロナウドとのワンツーで先制点を演出するも、バックヒールでのクリアから相手の同点ゴールが生まれるなど軽率なプレー判断もあった。中盤での違いを作り出せなかった。
MF: ピアニッチ 5.0
中盤でボールを動かしたかったが、ベローナの前線に張り付かれて期待された仕事はできず。試合から消える時間が多く、貢献度は低かった。
MF: ラビオ 5.5
ドリブルで持ち上がって局面を打開した場面はあったものの、それは1度だけ。対面するアムラバトにボールを良いように展開され、相手のプレーを制限することはできなかった。
FW: ドウグラス・コスタ 6.0
ドリブルで局面を打開して持ち運ぶなど、持ち味を存分に発揮する。ただ、周囲との連携が機能していたとは言い難く、単騎突破で不完全燃焼の場面が多かった。
FW: イグアイン 5.0
オープニングシュートで乗るかと思われたが、完全に期待外れだった。交代は当然だし、仮にフル出場していてもゴールに絡む仕事はできなかっただろう。
FW: クリスティアーノ・ロナウド 6.5
前半から個人技でチャンスを作り、61分には自らのロングドリブルと駆け引きで先制点を奪取。相手 DF にプレスをかけるなど前線で孤軍奮闘した。
【交代選手など】
FW: ディバラ 5.5
59分にイグアインとの交代で出場。ベローナの激しいチェックを受けるも、ロナウドにボールを預けるなど前線で変化を付ける仕事を遂行。ただ、シュートを枠内に飛ばす正確性は欠いており、ヒーローにはなれなかった。
MF: ラムジー 5.0
D・コスタに代わって72分から出場するも、スペースを与えないベローナ守備陣の前に沈黙。持ち味を発揮することはできずに終わった。
DF: デ・シリオ ー
83分にベンタンクールとの交代で出場。クアドラードが務めていた右 SB に入る。ビハインドを背負った後に攻撃面での貢献はできず。交代采配の意図が問われる人選だった。
サッリ監督 5.0
中2日で試合を迎えた相手に内容で上回れ続け、最終的には内容どおりの試合結果となった。1週間の準備期間があった中で、戦前に予想された出方をした相手に対してこの結果と内容では厳しい批判の矢面に立たざるを得ないだろう。
マッサ主審 6.0
ディバラ投入後にイエロー上等のタックルを続けたベローナ守備陣に1枚カードを出しても良かっただろう。VAR を介入はいずれも適切で、判断は妥当なものだった。強いて言うなら、ボヌッチのカードの色は故意だっただけに赤でも良かったかもしれない。