『トゥット・スポルト』によりますと、2月12日に行われた UEFA CL ローマ対ポルト戦をユベントスのパラティーチ CFO がザニオーロ選手の視察のために訪問しており、獲得に向けた動きに出る可能性があるとのことです。ただ、実現の可能性は低いと言えるでしょう。
1999年7月生まれのザニオーロ選手はナインゴラン選手の移籍時に代替要員という形でローマに移籍した左利きの MF です。プリマベーラ時代から非凡な才能を見せていましたが、1年足らずで大きな飛躍を見せることは誰も予想していなかったと思われます。
ユベントスがザニオーロ選手の獲得に興味を示しているのは「イタリア人 MF だから」という点が大きいでしょう。
「イタリアン・チーム」をブランドとして活用したいユベントスですが、今季はイタリア人 MF がゼロです。チーム全体で見ても、イタリア人選手の割合は何とか 40% を超える水準であり、50% 近くにまで引き上げたいところです。
そのため、ザニオーロ選手の他にバレッラ選手(カリアリ)やキエーザ選手(フィオレンティーナ)の名前が出ていると言えるでしょう。
ただ、ザニオーロ選手の獲得は簡単ではありません。なぜなら、ローマ側に選手を手放す理由が少ないからです。
- ザニオーロ選手獲得における障害
- 現行契約の存在(→ 2023年までのため、多額の移籍金が必要)
- 主力選手を売却し続けているモンチ SD への風当たり
- ユベントスでの出場機会
- ザニオーロ選手獲得の追い風となる要素
- 推定年俸70万ユーロ
- FFP の監視が続くローマの財務状況
ガゼッタ紙によりますと、ザニオーロ選手の推定年俸は70万ユーロ。ローマの中では最も低い水準ですので、昇給は不可避と言えるでしょう。そのため、この交渉が不調に終われば、ユベントスに選手を引き抜くチャンスが生まれます。
ザニオーロ選手の他にはジェンキズ・ウンデル選手も昇給の対象ですので、両選手を満足できる給与を提示することは財政的に難しい部分もあるため、この点が獲得交渉を進めることができる要員となるはずです。
しかし、ユベントスは中盤にラムジー選手を4年契約で獲得しています。また、多額の移籍金をつぎ込むのであれば、高齢化が進む CB 陣に実力者や若手有望株を獲得するために使うべきだと言えるでしょう。
今季の成績を踏まえてユベントスのフロント陣がどのような補強戦略に乗り出すのかに注目です。